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ディズニー&ピクサー最新作、米劇場公開がまたも見送りに ─ オミクロン急拡大の為、ピクサー内部では不満も

『私ときどきレッサーパンダ』
(c)2021 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニーピクサーの劇場公開復活作として期待されていた『私ときどきレッサーパンダ』が、本国アメリカでの劇場公開を見送り、ディズニープラス(Disney+)での配信公開となることがわかった。

コロナ禍以降のディズニー&ピクサー作品である『ソウルフル・ワールド』と『あの夏のルカ』は、従来の劇場公開からディズニープラスでの独身配信として公開された。しかし、2022年3月に封切り予定の最新作『私ときどきレッサーパンダ』では、かつての方針に回帰し、ディズニー&ピクサー作品の劇場復活作として、ファンの間では期待されていた。

その最中で、『私ときどきレッサーパンダ』がディズニープラス独占配信へ切り替えられることが米国で決定。米Deadlineによると、オミクロン株の急拡大を受けての措置だという。また、米国以外の地域については、ディズニープラス非展開国においてのみ劇場で公開されるとのことだ。日本でも劇場公開が発表されているが、今後何らかの変更が行われる可能性がある。

ピクサー作品のディズニープラス配信スルー措置については、かねてより物議をかもしており、制作を担うピクサー・アニメーション・スタジオ内部からは「映画は大画面用に作られた」「携帯を見ながら映画を観て欲しくない」といった不満の声も上がっていた。こうしたネガティブな意見も『私ときどきレッサーパンダ』で解消されるかと思われた矢先の発表に、内部からは驚きや失望の声が再び出てきている。

Insiderに匿名でコメントを寄せたピクサーのスタッフは、「我々(従業員)の全員がきわめて失望していると言っても良いでしょう」と悲しみをあらわにした。さらには、「『私ときどきレッサーパンダ』は、(作品が)ビッグスクリーンに帰ってくる作品だと思っていました。スタジオの全員が楽しみにしていたことであり、特に今作で始まることにもワクワクしていたのです。かなりの衝撃です」とも続けている。

一方で、「ショックです。最悪だ」と私見を述べながらも「理解はできる」と話すスタッフや、「オミクロン株の感染状況がきわめて高いこともあって、“ストリーミング行きの判断は誤っている”と言っている人は周りにいない」と証言するスタッフもおり、スタジオ全体が失望ムードにあるとは一概に言えない。

とはいえ、一部のスタッフにとってはショッキングな出来事となったディズニー側の決定、その背景には一体何があるのだろうか。米Varietyは、映画興行分野の専門家の分析を紹介。いわく、「ディズニーはピクサー映画の劇場公開を断固として否定しているわけではなく、『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』といった、批評的にも商業的にも成功を収めたアニメーション帝国の揺るぎない地位に関係していると考えている」のだという。つまりディズニー側は、「(劇場での)興行成績と同じだけ、ディズニープラスに課金できる人の数を維持し、拡大させることに対しても懸念を抱いている」というのだ。すなわちピクサー作品は、ディズニープラス拡大の1つの大黒柱として据えられているということである。

『私ときどきレッサーパンダ』に続くディズニー&ピクサー作品は、『トイ・ストーリー』シリーズの人気キャラクター、バズ・ライトイヤーの誕生秘話を描く映画『バズ・ライトイヤー』。『アベンジャーズ』『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンスが主演を務め、日本での劇場公開も発表されている

こうした注目作を控えるピクサーの今後には注視しておくべきだろう。なお、『私ときどきレッサーパンダ』の配信スルー決定に際して声明を発表したディズニーのスタジオ幹部、カリーム・ダニエル氏は、このたびの決定の理由をこう説明している。

「世界中のディズニープラスユーザーは、ピクサーのアカデミー賞受賞作品である『ソウルフル・ワールド』や批評家から賞賛された『あの夏のルカ』を熱意と共に受け入れてくださりました。ピクサーの素晴らしい次回作『私ときどきレッサーパンダ』をお届けできることも楽しみにしております。

興行成績の復調が──特にファミリー映画で──遅れていることを考慮に入れますと、柔軟性こそ、配給に関する決断の核にあり、ウォルト・ディズニーカンパニーが擁する無類のコンテンツを世界中のオーディエンスにお届けすることを優先しております。」

ちなみに、ピクサーと同じくディズニー傘下であるマーベル・シネマティック・ユニバース作品や、直近では『ミラベルと魔法だらけの家』が公開されたディズニー・アニメーション・スタジオ製作の作品などは、劇場独占公開やディズニープラスとの同時公開といった形式が採用されている。

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Source:Deadline,Insider,Variety

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。

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