【ネタバレ】「ウォーキング・デッド」最終話解説 ─ ラストのセリフの意味、残された謎

この記事には、「ウォーキング・デッド」のネタバレが含まれています。

「生きるのは私たち」
最終回のラスト6分には、長らく姿を消していたリック(アンドリュー・リンカーン)とミショーン(ダナイ・グリラ)が再登場。それぞれ別々の場所で日記を書きながら、離れ離れになった家族や仲間に思いを馳せる。すると画面には、グレン(スティーヴン・ユァン)やアンドレア(ローリー・ホールデン)といった死者から、ダリル(ノーマン・リーダス)やキャロル(メリッサ・マクブライド)などの生者まで、これまでに出会った仲間たちの顔が映し出される。これらのキャラクターが口々に唱えるセリフが「生きるのは私たち(We’re the ones who live)」だ。
お気づきの方もいるかもしれないが、原語“We’re the ones who live”というセリフは過去にも何度か登場している。シーズン5第15話『探り合い』では、ピートとの殴り合いの末、やや暴走気味になったリックが、アレクサンドリアの住人に銃を向けながら「俺たちはすべきことをする。だから生き延びた(We’re the ones who live)」と説く。その後、シーズン7ではミショーンが2回にわたりこのセリフを引用していた。
なぜ、最終回で再びこのセリフにスポットを当てたのだろうか? ギンプルは理由を次のように説明する。
「このフレーズは常にかなりワイルドなものでした。多くの人が死んでいく状況で、“生きるのは私たち”と言うことができるのですから。でも、生きている者だけに当てはまるとは思いません。“生きるのは私たち。(死んでしまった)愛する人たちは残念だったね”みたいなのは、ちょっとやり過ぎな感じがします。
そうではなく、消え去ることのない関係や愛が続いていくように私は感じました。それは、この地獄を一緒に生きてきた中で培われたものなのです。その先にある勝利は、自分たちが永遠にお互いの中で生き抜くこと。私にとって、これは作品全体のメッセージのように思えるのです。」
実際にラストシーンでは、リックとミショーンが「失っても離れていても、私たちは永遠に1つ」だと説き、やがて「生きるのは私たち」というメッセージにつながっていく。このセリフはリック&ミショーンの間で繰り返されてきたゆえ、最後に2人を呼び戻す意味でも巧みに用いられたといえるだろう。
もっとも最終回には、このセリフ以外にもいくつかの疑問点が存在する。
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