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新作『ツイン・ピークス』をワイン・テイスティング?主演カイル・マクラクラン来日特別インタビュー!

ツイン・ピークス The Returnsインタビュー
©THE RIVER

デイル・クーパーが、『ツイン・ピークス』が日本に帰ってきた!

人気ドラマの最新シリーズである、新作『ツイン・ピークス』が、いよいよ日本で2017年7月22日(土)夜9:00よりWOWOWプライムで独占放送となる。ドラマ『ツイン・ピークス』は、シーズン1が1991年に、シーズン2が1991年から1992年にかけて日本でも放送された。謎が謎を呼ぶミステリアスなストーリーが爆発的人気を呼び、社会現象を巻き起こした。日本で独自制作された缶コーヒーのCMも話題に。海外ドラマブームの火付け役とも言われる伝説のドラマだ。

前作の最終回でローラがクーパー捜査官に告げた「25年後に会いましょう」のセリフ通り、本当に復活を果たした『ツイン・ピークス』。これを記念し来日を果たした主演カイル・マクラクランの貴重なインタビューに成功。撮影裏話や、見どころを語って頂いた。

©THE RIVER
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──25年の時を越えて、『ツイン・ピークス』が復活しましたね。様々な変化があったと思います。

はい、25年前とは全く異なるようなTV番組のファンが沢山いらっしゃる中、『ツイン・ピークス』をまたスタートさせるのはとても挑戦的な取り組みでした。新作『ツイン・ピークス』は、ファンの皆さんを更なる次元にお連れする作品になるはずです。

──「25年後にお会いしましょう」のセリフ通り、本当に25年の時を越えて復活しました。新作『ツイン・ピークス』の構想は、前シーズン当時から考えられていたのですか?

当時の「25年後」とは、漠然と未来を示す数字として使われていただけだと思います。私は、現実とは違う時の進み方をする『ツイン・ピークス』の世界での25年、ということだと思っていました。25年越しの復活は当初から計画されていたわけではないかもしれませんね。

──カイル・マクラクランさんは、新作『ツイン・ピークス』では複数の役を演じていますね。

新作『ツイン・ピークス』の撮影は、全てが映画のようでした。基本的には数日間同じキャラクターを演じ続けました。ときどき、ダギー・ジョーンズからミスターCというように別のキャラクターに切り替えなければならない日もありましたね。これはちょっと大変でした。

それぞれのキャラクターごとに異なる役作りを行いました。たとえばミスターCの場合は見た目から入っていったんです。カツラを被り、黒いカラーコンタクトを付け、それから顔や手、歯にも汚れを付け、何日もシャワーを浴びていない男のように作り上げました。もちろん内面にもこだわりました。爬虫類のような動きを試しています。

“TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.
“TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.

──『ツイン・ピークス』といえば、個性的なキャラクターばかりですが、自分が演じている役以外でお気に入りのキャラクターは?

私はいつも新しいキャラクターが好きになるんですよね(笑)。ずっとお気に入りなのは、カレル・ストルイケン。第1話でクーパーに様々な指示をする、とても興味深いキャラクターです。顔もね(笑)。
第8話はアメリカでとても話題を呼んだエピソードなのですが、そこで初めてカレルがどんな人物なのかが理解できるんです。デヴィッド・リンチ監督の世界の中にはいつもこうした発見が散りばめられているんです。

───新作『ツイン・ピークス』の復活は、どのように企画されたのですか?

私が知る限りでは、2012年か2013年ごろにマーク・フロストがデヴィッド・リンチに声をかけ、アイデアを発展させていったそうです。デヴィッド・リンチが私に連絡をくれて、興味はないかと声をかけてくれたんです。

───新作『ツイン・ピークス』で描かれる街の風景は、25年前とほとんど変わっていませんね。

街は生き続けていますが、小さな変化だけで大きくは変わりません。人々は年を取ったり、子供を産んだりしていますがね。新作『ツイン・ピークス』の劇中は驚きが続くので、後半にダイナーやロードハウスなど昔馴染みの風景が登場すると、安心しますよね。

“TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.
“TWIN PEAKS”: ©Twin Peaks Productions, Inc. All Rights Reserved.

───『ツイン・ピークス』以外でもデヴィッド・リンチ監督との作品が多いカイルさんは、リンチ作品の前衛的な映像の意味を監督に尋ねることはありますか?

デヴィッドと仕事を初めて間もないころは、主にキャラクターやストーリーについて、よく質問をしていましたよ。デヴィッドはいつも曖昧な答えをして、質問のたびに少し不機嫌そうにしていました(笑)。
歳を重ねてからは、私も学んできたので質問も少なくなっていきました。今では一切質問しません(笑)。
今では、私も自分で解釈を見出すことを楽しんでいます。一人ひとりの解釈に、間違った答えなんてないんですよ。

───新作『ツイン・ピークス』のベストエピソードと、見どころは?

私が出ているシーンは全部好きです(笑)。私自身、まだ第8話までしか観ていないんです。この第8話がとてもシュールで、前衛的なシーンが続く挑戦的なエピソードです。シーズン1の第2章(第3話、1991)で、ブラックロッジ、赤い部屋が初登場した際、マイクが
後ろ向きに踊っていましたよね。あの感覚に似ているんですが、より残虐性のある、信じられないようなエピソードです。

この続きは私もまだ観ていないので、どうなるのかわからないんです。私が登場するシーンで言えば、ミスターCの場面がお気に入りですね。それからダギー・ジョーンズも予想外の行動をするので、注目してみてください。

印象的なシーンと言えば、『The Return』の第1話、ロッジでミスターCが男と話しているシーンで、不思議な女性(ヴィオラ)が現れて”How are you?”と尋ねるところ。ここは何だかゾッとするような、恐ろしいシーンでしたね。

───これから『ツイン・ピークス』を観始めたい新しい視聴者に向けて。予習は必要ですか?

予習すればより楽しんで頂けます。私からの、ちょっとした宿題ですね(笑)。
まずはシーズン1の第一話(序章)を観ておけば、『ツイン・ピークス』の世界観をご理解頂けるはず。それから、ブラックロッジが初登場する第二章(第3話)と、最終話、そして映画版『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(1992)を観ておけばバッチリです。

©THE RIVER
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───ちなみに、カイルさんはワインがお好きということですね。『ツイン・ピークス』とデヴィッド・リンチを”ワイン・テイスティング”風に表現するなら?

デヴィッド・リンチは、味わい深く、ダークで、濃厚なブラック・レッド、と言ったところでしょうか。そこに少しスパイスが効いています。

『ツイン・ピークス』は、より複雑な味わい。スイート・ワインのようでありながら、少し苦味があって…、テイストは表現できません(笑)。食後のワインでしょうね。

───では、ご自身は?

私は…、シャンパンです。バブリーなね(笑)。


自身をシャンパンに例えたように、カイル・マクラクランは柔らかい泡のようなオーラを纏って、私たち取材班を迎えてくれた。インタビューも所定の終了時間になると、「もう終わりなのかい?楽しくお話していたのに…」と名残惜しんで下さるほど、優しさに溢れた紳士であった。

待望の新作『ツイン・ピークス』は2017年7月22日(土)夜9:00よりWOWOWプライムで独占放送。これから初めて『ツイン・ピークス』を楽しみたい方は、カイルから貰った宿題…第一シーズンの第1話、第3話、映画『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』をチェックしておけば、より深く楽しめるだろう。チェリー・パイとドーナッツ、コーヒーをお供に鑑賞するのがオススメ!

(取材、文:Naoto Nakatani)

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