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『ヴェノム』削除シーンは40分 ─ トム・ハーディ、アドリブでヴェノム演じた撮影分は「7時間以上あると思う」

ヴェノム
©&TM 2018 MARVEL

スパイダーマン最大の宿敵を描く映画『ヴェノム』が、ついに日本公開となった。ダークでバイオレンスな要素をにおわせるルックながら、本編ではトム・ハーディ演じるエディ・ブロックと地球外生命体”シンビオート”のヴェノムとの掛け合いも楽しめるバディ・ムービーとしての評判も聞こえてくる。

ユーモアも取り入れられた掛け合いシーンも多い『ヴェノム』だが、こうしたシーンには残念ながら本編からカットされてしまったものが相当量あったという。主演のトム・ハーディがComics Explainedのインタビューで答えた。

質問はいたってシンプルで、「お気に入りのシーンはどれですか?」というもの。これに対しトムは、「そのシーンは映画には入らなかったんですよ」との説明を始める。

映画からはカットされたシーンが30〜40分くらいあるんです。狂ったみたいな腹話術のシーンとか、ダーク・コメディのシーンとか、ごっそり削られちゃって。」

今作は当初、R指定描写やホラー描写をふんだんに取り入れ、ヴェノムのグロテスクなイメージを捉え映画になると噂されていたものの、実際にはPG-13指定に。これは、ソニー幹部がスパイダーマンとの将来的なクロスオーバーを求めたためだとも、より広い層の観客に訴求したいという意向のためだとも囁かれている。そのために、実際にダーク・コメディのシーンを撮りためていたことが裏付けられた。

ところでトムのこの答えは、映画『ヴェノム』の作品性を咎める質問とも捉えられかねない。何せ、「お気に入りのシーンはどれか」と尋ねられ、「本編にはない」と答えているのだから、まるでトムが本編に納得していないようにも聞こえる。

このインタビューをトムと共にしたカールトン・ドレイク役で共演のリズ・アーメッドも感づいたのか、すかさず「それって、撮影は楽しかったのかもしれないけど、(出来が)良くなかったからからじゃないの?」とフォロー(に近いツッコミ)に入る。「こんなこと言いたくないんだけどさ。会議があって、トムは撮影すごく楽しまれてました、って話になったけど、でも良くなかったっていう…。」

こう返されたトムはすっかり困り顔になり、現場は数秒間静寂に包まれる。トムは「今、僕の顔に『サウンド・オブ・サイレンス』流れてない?”Hello darkness my old friend”って。」とジョーク。これは、同様の黒バックのインタビューで、映画の悪評を指摘されて悲しげな顔のまま沈黙してしまった『バットマン vs スーパマン ジャスティスの誕生』(2016)時のベン・アフレックのミームの引用だ。

トム・ハーディ、誤解を訂正へ

やはり、とも言うべきだろうか、トムのこの返答はネット上であらぬ誤解を生んでしまった。一連の受け答えは、「『ヴェノム』はトム・ハーディのお気に入りシーンをカットしてしまった」といった見出しでセンセーショナルに報じられたのだ。幸運にもトムは、後日開催された本作のプレミアで、この誤解を説く機会を得る。米IGNのインタビュワーがレッド・カーペット上で「30分ほどのシーンがカットされたという報道について、追加コメントや訂正は?」とマイクを向けたのだ。トムは「あれには誤解があったと思います。僕が言いたかったことは…」と、丁寧な説明を始める。

「”一番エキサイティングだったシーンはどれですか?”っていう質問だったんですけど、”カットされたシーンはたくさんある”って答えたんですね。俳優の立場から答えているんですけど。言いたかったことは、ヴェノムを演じるのにかなりアドリブを許してもらえていて、けっこう自由があったんです。正直、僕がヴェノムを演じていて使えるシーンっていうのは、おそらく7時間分以上はあると思うんです。僕も楽しくって…。演じているときは、彼(ヴェノム)を連れ出して遊んでいる感じで、かなり楽しかった。この企画とこのキャラクターには、楽しいことがいっぱいありましたから。」

『ヴェノム』撮影期間中には、舞台裏の様子を自身のInstagramにて公開していたトム。ヴェノムとの共生生活をいかに楽しんでいたかは、上コメントを読めば明らかだ。本人曰く7時間分も撮影したというだけあって、お気に入りの楽しいシーンは数え切れないほどあったに違いない。「僕も他のお偉いさんたちも、これってストーリーには関係ないよねってことはちゃんと分かってました。ヴェノムを7時間も観たいかって?観たいけど!でもそれは役者としての希望。実際に求められるのはストーリーですし、僕が求めていたものもストーリーなんです。」

もちろん、ファンとしては本編からカットされた映像もできるだけ観てみたいかぎり。数カ月後に発売されるであろうBlu-ray&DVD版で、未公開シーンとして収録されることを願いたい。

『ヴェノム』公式サイト:http://www.venom-movie.jp/

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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