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ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、巨匠監督の映画をスマホに保存してロジャー・ディーキンスをビビらせていた

Denis Villeneuve ドゥニ・ヴィルヌーヴ
A Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Denis_Villeneuve_(36201329815).jpg

『メッセージ』(2016)『ブレードランナー  2049』(2017)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督といえば、圧巻の映像美で壮大な映画体験を演出するフィルムメーカーのひとり。そんなヴィルヌーヴ監督はかつて、映画の視聴方法を巡ってハリウッドを代表する撮影監督のロジャー・ディーキンスを震え上がらせたことがあるという。

ヴィルヌーヴとディーキンスは『プリズナーズ』(2013)や『ボーダーライン』(2015)、『ブレードランナー  2049』などでタッグを組んできた盟友同士。このたび、ディーキンスがホストを務めるポッドキャストTalking Deakinsに登場したヴィルヌーヴは、「ロジャーは、私がテレンス・マリック監督の『シン・レッド・ライン』(1998)をiPhoneに保存していたことにトラウマを持ってるんです」と打ち明けた。

「ロジャーはそれを恐ろしいことだと思ったようです。私自身は映画を携帯できるから良いなと思ったんです。同じことではないことではないですが、ビッグ・スクリーンの為に戦いたいと思っています。しかし、私はテレビを通して映画体験をしてきたんですよ。」

こう語るヴィルヌーヴは、スタンリー・キューブリック監督作『2001年宇宙の旅』(1968)やリドリー・スコット監督『ブレードランナー』(1982)など、自身に影響を与えた作品とテレビで出会ったのだとか。「それでも、こういう映画って大きな影響力があるんですよ。画面のサイズについての議論あれこれはありますが…僕はフィルムメーカーで、ただ映画が好きなんです」と実際の体験に基づく独自の考えを明かしている。

スマートフォンやテレビを通して映画を観ることは、動画配信サービスが普及する現代において、いまやごく普通のこと。かたや、「観客がいる劇場での体験が大好き」だと語るディーキンスにとっては、やはり映画館で映像を観てもらうことが本望なのだろう。いずれにせよ、マリック監督が目の前にいたわけでもないのに“トラウマ”になったということは、ヴィルヌーヴ監督がiPhoneで映画を観ていること自体がディーキンスにとってかなりの衝撃だったのかもしれない。

一方で、ディーキンスは「実際に作品を観ることが、もっと重要な気もします」と語り、映画の視聴形式が多様化された現代の風潮に一定の理解を示してもいる。「これから先、テレビで映画を観る人が増えても良いと思います。私も小さい頃に映画館じゃなくてテレビで映画を観た記憶がありますから」。

マリック監督がこのエピソードを聞いた時にどのような反応を見せるのだろうか…。

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Source: Talking Deakins

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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