『ワイルド・スピード』ヴィン・ディーゼル&ドウェイン・ジョンソンの確執、原因は「愛のムチ」か

『ワイルド・スピード』シリーズで主演・製作を務めるヴィン・ディーゼルが、第5作『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011)で初登場を果たしたルーク・ホブス役のドウェイン・ジョンソンに「愛をムチを与えていた」ことを明かした。2人はかつて、確執の存在が報じられていたが、このたびの発言の真意とは……。
ヴィンとドウェインの不仲は2017年に初めて大きく伝えられた。しかし、実際にはそれ以前の2016年8月に、ドウェインが『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017)の撮影中に共演者を「臆病者(Candy Ass)」とInstagramにて罵り、のちにヴィンと険悪な関係にあると報じられていた。このほか、製作の進め方を巡って、メインシリーズの継続を求めるタイリース・ギブソンと、スピンオフ作品の製作を進めるドウェインの間で対立が起きるなど、キャスト同士の確執は根深いように思われた。
しかし、2020年12月には、当時者であったタイリースがドウェインと和解したことを明言。タイリースがドウェインとの間で持っていた確執がヴィンとドウェインとのそれと同質であるとは言い切れないものの、ひとまずキャスト同士の不仲は収束したと思われた。こうした中、米Men’s Healthの取材に応じたヴィンは、ドウェインとの確執を作り出した原因を語っている。
「ホブスは具現化するのが難しいキャラクターでした。パフォーマンスを求められるレベルまで高めるのに、僕の当時のアプローチの仕方は、たくさんの愛のムチが必要で。プロデューサーとして、“よし、レスリングに携わっているドウェイン・ジョンソンを起用して、この映画世界と観客にとって彼が演じるキャラクターをよその人間として登場させよう”と言うためです。
ホブスはものすごく衝撃的な印象を与えました。そうした美しさに、私は誇りに思ってます。労力はたくさんかかりましたが、時には愛のムチを与えることで、そうしたものをやりきらなければいけませんでした。(フェデリコ・)フェリーニ※のようなわけでもないですが、自分が製作しているものならどの作品でも、パフォーマンスを追求するために何でもします。」
※フェデリコ・フェリーニ監督は完璧主義者として知られる。
現場で交わされた細かなやり取りについては定かでないものの、ホブスをファミリーの敵として登場させるにあたって、指示を出すヴィンと演じるドウェインの間ですれ違いが生じてしまったのだろう。ドウェインについて、ヴィンはこれ以上のことは言及していないが、製作者としての葛藤が行間ににじみ出ている。
現在、ドウェインはデッカード・ショウ役のジェイソン・ステイサムとのダブル主演スピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019)の続編製作に携わっている。世界観としてはメインシリーズと共通しているものの、ヴィンは『スーパーコンボ』に一切関わっていない。ドウェインがメインシリーズから離れていきつつある感も否めないが、その一方で『ワイスピ』完結2部作の第10&11作で、ドウェイン&ステイサムが再合流する噂も存在している。今後の状況に目を配る必要もありそうだが、ひとまず最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の公開を待ちたいところ。ホブス&ショウをめぐる新展開が明かされるかもしれない。
Source: Men’s Health