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ジョニー・デップ、ロバート・パティンソン共演『夷狄を待ちながら』米予告編 ─ J・M・クッツェー原作、『ダンケルク』マーク・ライランス主演

https://www.youtube.com/watch?v=ZTtOuxgc9BQ

ノーベル賞受賞作家、J・M・クッツェーの代表作『夷狄を待ちながら』(集英社)を映画化した『Waiting For The Barbarians(原題)』の米国版予告編が公開された。

『ダンケルク』(2017)『レディ・プレイヤー1』(2018)のマーク・ライランスを主演に、おなじみジョニー・デップや『ザ・バットマン(原題:The Batman)』を控えるロバート・パティンソンが共演した本作は、予告編から濃密な演技合戦が展開される。短い映像ながらじっくりと堪能したい。

とある帝国の国境付近にある、人里離れた開拓地には、長年この地で働いてきた民政官の男(マーク・ライランス)がいる。穏やかな老後を楽しみにしていた彼だったが、そこに帝国からジョル大佐(ジョニー・デップ)という軍人が現れる。大佐の仕事は、“夷狄(野蛮人)たち”の動きを監視・報告することと、国境の警備を徹底すること。ジョル大佐とマンデル准尉(ロバート・パティンソン)らは、人々に容赦ない拷問と尋問を重ねていく。やがて民政官の男は、帝国への忠誠心を問われることになり……。

予告編は、民政官をはじめとする開拓地の人々が、ジョル大佐ら軍人たちを迎える場面から始まる。民政官が「この辺鄙な場所についてはお詳しいですか?」と尋ねると、大佐は「いいや、まだだ」と答えた。「私には従うべき命令がある。真実を探ることだ」と口にし、開拓地の状態に懸念があること、さらなる調査を実施することを宣言する。マンデル准尉は「ジョル大佐はみなさんを正すという任務を指揮しているのだ」と口にしてはばからない。

Waiting For The Barbarians(原題)
© 2020 SAMUEL GOLDWYN FILMS. ALL RIGHTS RESERVED

そんな中、民政官はひとりの女性と出会う。拷問によって傷ついた女性に、民政官が「何をされた? 家に帰らせてほしいのか?」と問うと、女性はうなずいた。民政官は女性を連れて開拓地を離れ、そこで外の世界に暮らす人々と出会う。その様子には、民政官の「ここは、あなた方が追っている夷狄の土地です。彼らはすべてを知っているが、あなた方は知らない。帝国相手の戦争が始まるなんて、本気で言っていらっしゃるんですか?」という言葉が重なった。

一方、軍人たちは冷酷だ。ジョル大佐は「痛みこそが真実、だからあなたは痛みを受けるのだ。あなたは、自分の行動がいかにつまらないかを分かっていない」「我々は手続きをしているのだ」と口にし、マンデル准尉は「敵と繋がっている」と断じては暴力をふるい、薄ら笑いを浮かべた。映像は、ジョル大佐の「我々は問題を終わらせる。敵を倒す。終わらせるのだ」という言葉で幕を閉じている。

Waiting For The Barbarians(原題)
© 2020 SAMUEL GOLDWYN FILMS. ALL RIGHTS RESERVED

南アフリカ出身の作家・エッセイスト・言語学者であるクッツェーは、代表作の映画化にあたって自ら脚本を執筆。作品のタイトルはギリシャの詩人コンスタンディノス・カヴァフィスによる詩からの引用だが、サミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』を思わせるもの。同作は待てど暮らせどやってこないゴドーを待つ2人の物語だが、本作には、いずれ攻撃を仕掛けてくるという夷狄を監視する軍人たちが登場する。ちなみに、クッツェーはベケット作品を研究した経歴を持つ人物だ。

監督を務めたのは、『彷徨える河』(2015)や『夏の鳥(英題:Birds of Passage)』(2018)を手がけたコロンビア出身の監督シーロ・ゲーラ。Netflixドラマ「グリーン・フロンティア」(2019)も話題を呼んだ注目株だ。

映画『Waiting For The Barbarians(原題)』は2020年8月7日、米国にてデジタル配信開始。原作・脚本、キャスト、監督とどこを切っても骨太の一本とあって、日本でも観られるようになることを祈りたい。

Source: Samuel Goldwyn Films

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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