Menu
(0)

Search

【ネタバレ】「ワンダヴィジョン」に登場した禁断の書、「エージェント・オブ・シールド」「ランナウェイズ」との関連は

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマシリーズワンダヴィジョンには、来たるドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』に繋がると思しきキーアイテムが登場した。劇中で「禁断の書」と呼ばれる魔術書・ダークホールドである。

もっとも、ダークホールドがMCUに登場するのは「ワンダヴィジョン」が初めてではない。過去には「エージェント・オブ・シールド」「マーベル ランナウェイズ」で大きな役割を担ったのだ。では、「ワンダヴィジョン」のダークホールドは両作に登場した魔術書と同じものなのだろうか? 製作陣がその秘密を明らかにしている。

この記事には、「ワンダヴィジョン」最終話までのネタバレが含まれています。

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

「ダークホールド」さまざまな役割

「ワンダヴィジョン」でダークホールドを保持していたのは、ワンダ・マキシモフの隣人に化けていた魔女アガサ・ハークネス(キャスリン・ハーン)。アガサはダークホールドを「禁断の書」と呼び、そのうちの一章には、“無”から“有”を生み出せる「カオス・マジック」を操るスカーレット・ウィッチの存在が記されていると語った。「スカーレット・ウィッチは生まれるのではなく、作り出される。仲間を持たず、呪文を唱えることなく力を使える。その力は“至高の魔術師”をも超える」。

もっとも「エージェント・オブ・シールド」で示されたダークホールドの役割は、「ワンダヴィジョン」よりも大きかった。複数の人物がダークホールドの争奪戦を繰り広げた末、科学者のホールデン・ラドクリフとアンドロイドのエイダが仮想現実「フレームワーク」を作り出すために使用したほか、エイダが人間の肉体を獲得することにも利用されたのだ。その後、ダークホールドはゴーストライダーの手に渡り、“あるべき場所”である地獄へと持ち帰られている。かたや「マーベル ランナウェイズ」では、女性魔術師モーガン・ル・フェイがダークホールドの持ち主として登場した。

現時点での最大の謎は、これらのダークホールドがすべて同じものか、あるいはそうでないのかということだ。「エージェント・オブ・シールド」「マーベル ランナウェイズ」のダークホールドは、シンプルなデザインときちんとした造本で、表紙にはタイトルが刻み込まれている。一方で「ワンダヴィジョン」のダークホールドはぼろぼろで、そのデザインもまるで異なるのだ。

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

「ワンダヴィジョン」の脚本・製作総指揮を務めたジャック・シェイファーは、米Yahoo!にて「私の印象としては、これはMCUのダークホールド」だと話している。「あれが“禁断の書”であること、予言の言葉とともにスカーレット・ウィッチの章が存在することは確かです。おそらく別の作品で、より多くを知ることになるでしょう」。米Screen Rantでも「この物語のためのダークホールドで、(過去の作品は)参照しなかった」と述べた。

監督のマット・シャックマンも、ジャックと同じく「新たにデザインした」ダークホールドだと強調する。「エージェント・オブ・シールド」「マーベル ランナウェイズ」を見ておらず、過去にどう登場したのかも把握していないというのだ。一方、シャックマンは「マーベル・ユニバースに登場しているんですから、同じ本じゃないかなと思います」「ダークホールドはコミックにオリジンがあり、その伝説は今後も作られ続けていくでしょう」とも話している。しかし、シャックマンは多くを知らされていないとみられるだけに、これらの証言の信頼性には疑問の余地も残るところだ。

なにはともあれ、「ワンダヴィジョン」のクリエイターたちが、ダークホールドをひとまず本作独自のアイテムとして登場させたことは確かだろう。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長らには別の考えがあるのかもしれないが、そこは想像するほかないのが実情である。この問題には、マーベル社内の“大人の事情”が重なっている可能性もあるからだ。

どういうことかといえば、「ワンダヴィジョン」の製作はMCUの映画作品を手がけるマーベル・スタジオだが、「エージェント・オブ・シールド」「マーベル ランナウェイズ」の製作は旧マーベル・テレビジョン(現在は消滅)と、それぞれ担当部門が異なるのである。両部門は折り合いが良くなかったとも言われ、MCUから派生した「エージェント・オブ・シールド」が映画とあまりリンクしなかったのもそれに起因するともいわれた。米Inverseは、シェイファーの「MCUのダークホールド」発言を受けて、「エージェント・オブ・シールド」「マーベル ランナウェイズ」がMCUの正史から外れるのではないかと推測しているほど。それは邪推に過ぎないとしても、MCUをめぐる問題はかくも複雑なのだ。

ちなみに「エージェント・オブ・シールド」シーズン4では、ダークホールドの存在をニック・フューリーや『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)のレッドスカルが認識していたことも語られている。「ワンダヴィジョン」最終話のポストクレジットシーンから察するに、ダークホールドの話題は『ドクター・ストレンジ』続編に引き継がれるものとみられるが、いずれフューリーの関与もありえるだろうか。ダークホールドをめぐる謎は思わぬ広がりをみせつつある。

あわせて読みたい

Sources: Yahoo!, Screen Rant(1, 2), Inverse

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly