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【ネタバレ】「ワンダヴィジョン」第5話の衝撃、実現秘話を脚本家が明かす ─ 「これはシットコムのお約束」

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

この記事には、ドラマ「ワンダヴィジョン」第5話の極めて重大なネタバレが含まれています。まだ本編をご覧になっていない方は、必ずご視聴後にお楽しみください。
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ワンダヴィジョン
© 2021 Marvel

ふたりのクイックシルバー

「ワンダヴィジョン」の第5話は、第1~3話で構築されてきた“シットコム”の世界を揺らがせ、新たな方面へと進める物語となった。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)ののち、ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)が、ヴィジョンを失った悲しみから、とある行動に出ていたことが明らかになったのだ。S.W.O.R.D.の基地から町の様子を観測しているダーシー・ルイス、FBI捜査官のランドール・パークの二人は恐るべき事実を目の当たりにし、同時に町の中でも、ほかでもない“ワンダの夫”ヴィジョンが異変に気づきつつあった。

ワンダとヴィジョンの間に緊迫した空気が流れた直後、二人の我が家を訪れたのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で死んだはずのワンダの双子の兄弟、ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー。しかしその姿は、MCU版でピエトロを演じたアーロン・テイラー=ジョンソンではなく、20世紀フォックス製作『X-MEN』シリーズのエヴァン・ピーターズだったのだ。この瞬間を目撃したダーシーは、思わず「彼女、ピエトロの代役を立てたの?(She recast Pietro?)」と口にしている。

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『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

Marvel.comにて、仕掛け人たるシェイファーは、エヴァン・ピーターズ版クイックシルバーの再登場を「すごく良いアイデアだと思いました」と語っている。シェイファーは、同じく製作総指揮のメアリー・リヴァノスとともに早くからこの構想を立てていたというが、実現は決して簡単なことではなかったようだ。

「(エヴァンの登場は)どうすれば筋道の通ったものに、真っ当なものになるのか。最高のアイデアは山ほど出てくるものですが、結局のところ大切なのは、実現すること、現実的なものにすること、より大きな物語にとって必然的だと思えることですから。このシリーズは頭の中をかき回す作品ですから、あらゆるレベルでいろんなことが起きているし、あらゆるところにポイントがあります。何が現実で、何がそうでないか。演技やキャスティング、観客、ファンはどうか。エヴァンをMCUに登場させることは、そのすべての面において最もスリリングだと思いました。」

結果的に選ばれたのは、姿を見せない兄弟がいきなり我が家にやってくるという、いかにも“シットコムらしい”登場方法だった。シェイファーも「兄弟や親戚、町にやってきた誰かが現れて、家族との面倒事を起こすのはシットコムのお約束です」と一言。別のユニバースから出演者が参入するとあって「実現するかどうかはわからなかった、難しいことだった」というが、結果的に関係者たちはこれを受け入れている。

「エヴァンはずっとやる気満々でいてくれました。彼はコミックのファンだし、マーベルのファンなので、このとんでもない選択にも前向きでいてくれたんです。(『ワンダヴィジョン』の)仕事をすることを心から喜んでくれました。全員がすごく興奮していましたね。ケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)は、実現させるための、筋の通った理由を求めていたんだと思います。」

むろんシェイファーは、このクイックシルバーがどのような存在なのかはまだ明かしていない。おそらくは今後のエピソードですべてが明らかになるのだろう。これをマルチバースの始まりと予想することももちろん可能だが、物語の流れからすれば、現実とシットコムの世界が同時に進むという展開の中、出演者の交代という、これまた“シットコムらしい”ひねりが加わったところが鮮やかだ。シットコムの世界がワンダの能力によって維持されているのなら、なぜワンダはピエトロの“代役”を立てたのか。なぜ、代役を立てなければならなかったのか。たまたま顔がエヴァン・ピーターズだったというだけで、『X-MEN』ユニバースのクイックシルバーとは別人という可能性もある。

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Source: Marvel.com

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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