マーベル・シネマティック・ユニバース、第1作に『アイアンマン』を選んだ意外な理由とは

キャプテン・アメリカやソー、アントマンなど魅力的なヒーロー映画を世に送り出し、それぞれの世界観を繋げることで作品に奥行きを生み出しているマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。その記念すべき1作目となったのが、ロバート・ダウニー・Jr.主演の『アイアンマン』(2008)だ。

しかし、なぜアイアンマンというキャラクターが実写映画化プロジェクトの第一弾に選ばれたのだろうか。当時マーベル・スタジオは、映画を観た子供たちがアイアンマンのフィギュアや玩具を購入することに期待していたのだという。

スパイダーマンなきマーベル、誰を映画化する?


マーベル・スタジオは1998年、自社の最人気キャラクターであるスパイダーマンの映画化権をソニー・ピクチャーズに1,000万ドルで売却。その際、アイアンマンやキャプテン・アメリカなど他のキャラクターの権利もまとめて購入できるオファーを提示したが、ソニーはこれを断っている

Wall Street Journal誌のベン・フリッツ記者によれば、当時マーベル・エンターテインメントの経営責任者だったアイザック・パルムッター氏は、サム・ライミ監督による『スパイダーマン』(2002)、『スパイダーマン2』(2004)がヒットする様子を苦々しく思っていた。そこでマーベル側が対応策として考え出したのが、自社で映画を製作してしまうというアイデアだった。

ところがパルムッター氏は、経営者としてリスクの高い映画製作にもともと乗り気ではなかった。のちにマーベル・スタジオで自社映画を作ることになった際も、彼は映画で大きな利益を上げられるとは考えていなかったそうだ。

マーベルは、どのキャラクターを最初に映像化するかという選択を迫られる。候補に挙がったのは、キャプテン・アメリカやソーといった、当時知名度の低かったキャラクターたち。決め手となった理由のひとつに、あくまで子どもたちが「どのキャラクターのフィギュアで遊びたいか」という観点があったという。その結果、様々なガジェットが搭載されている、クールなパワード・スーツを身に着けたアイアンマンが選ばれたのだ。

 

当初はグッズの売上に期待されていた『アイアンマン』だが、蓋を開けてみれば映画自体が全世界で大ヒット。続いて製作された『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)や『マイティ・ソー』(2011)もその成功に続き、これらのヒーローが一挙に集結した映画『アベンジャーズ』(2012)は映画史に残る作品となった。

『アイアンマン』の興行的成功を皮切りに、それまで知名度の低かったキャラクターたちが世界的な人気者に成長していったのは興味深い。2018年3月1日より全国公開される『ブラックパンサー』もまた一般的には無名だったキャラクターのうちのひとりだが、今や公開前から各所で話題を呼ぶ注目作だ。意外な理由から選ばれた『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース。その恐るべき快進撃はまだまだ止まりそうにない。

(文:まだい)

Source: https://www.wsj.com/articles/the-black-panther-movie-deal-that-didnt-get-made-1518703200

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