征服者カーン、なぜアントマンと戦うことに? ─ 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』での現状と目的が判明

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、現在展開中の“マルチバース・サーガ”における最強の敵・征服者カーンがついに初登場する。少なくとも、2025年公開の『アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)』まではカーンこそが最大の脅威となるのだ。
もっとも興味深いのは、“アベンジャーズ最弱”と言われることさえあるアントマンが、この最強のヴィランと最初に対決すること。しかし、なぜアントマンとカーンが対決しなければならないのか? 英Empireにて、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長がその理由を語った。
「カーンは非常に強力な人物ですが、(本作で)登場する時点では、彼はその力を取り戻さなければならない状況にあります。カーンは船を持ち、行きたい場所、行きたい時間にどこへでも行ける装置を持っています。しかしその装置を使うには、ピム粒子と天才科学者に会わなければならないのです。」
本作の物語は、アントマン/スコット・ラングやワスプ/ホープ・ヴァン・ダイン、娘のキャシーたち家族が、実験中の事故により、ハンク・ピム博士やジャネット・ヴァン・ダインとともに量子世界に引きずり込まれることから始まる。しかし、カーンがピム粒子を求めているのであれば、この事故自体がカーンの計画通りという可能性も高そうだ。

カーン役のジョナサン・メジャースも、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の時点で、カーンにとっては「量子世界が現在の領地」だと米Fandangoにて明かしている。
「(量子世界は)映画のタイトル通り、カーンが占領しています。だから彼は一人ぼっちで、ただそこにいる。[中略]カーンは力を誇示しますが、本当に彼を動かしているのは内的な力。面白いのは、カーンが社会に傷つき、苦しみ、居心地悪さとフラストレーションを抱えていることです。彼にとって、この世界はあまりにも大きい。そのことがカーンをスーパーヴィランにした、つまり内的葛藤が彼に力を与えたのです。」
監督のペイトン・リードが役づくりの参考として示したのは、古代マケドニアの王であり、歴史上最も有名な統治者・侵略者であるアレクサンドロス大王。メジャースは「ロキ」でカーンの変異体である“在り続ける者”を演じたが、カーン役には「多様なトーンと本物の葛藤、本物の軋轢がある」と豪語する。「MCUに新たな波動が生まれます。単なる殴り合いでも、単なるヒーローとヴィランでもない、“あなたの生き方”と“私の生き方”の葛藤です」。
そしてファイギ社長も、征服者カーンが「新しい種類の巨悪」であることを宣言した。「マルチバースを扱う上で、彼は当然の選択でした。ヒーローと戦うだけでなく、ヴィランたちの間でも争う、新しいタイプのヴィランなのです」。
映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金)全国公開。