グリンデルバルドの人間らしさ
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マッツ版グリンデルバルドが圧倒的な支持を得ている要因には、グリンデルバルドの弱みも見せた『ダンブルドアの秘密』の物語が大きく関わっているのかもしれない。前作『黒い魔法使いの誕生』では、圧倒的なカリスマ性をもって信奉者を募っていったグリンデルバルドの強い部分が押し出されたが、『ダンブルドアの秘密』では血の誓いを立てたダンブルドアへの未練を見せ、ラストシーンの一騎討ちも結局最後まで戦い切ることができなかった。
そんなマッツ版グリンデルバルドの人間らしさを評価するファンは多い。読者からは以下のようなコメントが寄せられた。
落ち着いた雰囲気ですが魅力的なところと、ダンブルドアに対する思いの深さを感じるところが好きです。(ソバ さん)
前作との異なる点で、ダンブルドアの恋人であり、恋人とは相反する野心に身を捧げる闇の魔法使いという人間らしい面がとても色濃く描写されていて好きです。(のん さん)
ダンブルドアとの過去の関係を説得づけるような愛憎が伝わってくる演技によって孤高の雰囲気のあったグリンデルバルドの印象が一気に変わったことで、愛ゆえの不器用さを感じてキャラクターに愛着が湧いた。(しー さん)
アルバスと理想の世界を創る夢を追い続ける彼の儚さ。また、前作のゲラートによりミステリアスで艶やかなキャラクター性に惹かれた。(あずま さん)
ストーリーのせいかもしれないけど、ジョニー・デップと比較したときにアルバスへの執着や後悔など憂いを帯びた表情が印象的でそこに惹かれた。(ぐろすけ さん)
グリンデルバルドがマッツ・ミケルセンに変わって、彼の野望は単なるエゴだけではなくなったと感じた(とわかさん)
マッツはグリンデルバルド役として起用された後、デップの後任を務めることへの並々ならぬプレッシャーを感じながらも、オリジナルのアプローチで演技に臨むことを決めていた。その結果、グリンデルバルドには人間らしさが増し、自身の野望すらも打ち砕きかねないダンブルドアへの苦悶がよりストレートに伝わったのかもしれない。
マッツ・ミケルセンの圧倒的「色気」
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ここまでの支持を得ているのには、演じるマッツ・ミケルセン自身の魅力も大きく貢献しているはずだ。マッツといえば、“北欧の至宝”の異名を持ち、俳優として長年ファンから熱狂的な支持を得ている。
意外にもマッツ、スクリーンデビューは30歳を過ぎてからと俳優としては遅咲き。母国デンマークで演技のキャリアを重ねた後に39歳でハリウッドへ進出し、「ハンニバル」(2013-2015)や『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)、『ドクター・ストレンジ』(2016年)など数多くの作品で活躍を見せてきた。還暦を前にした今でも輝きは増し続け、『ダンブルドアの秘密』でもマッツの「色気」に魅了されたファンは多い。
2部の冒頭ではこれでもかと言うくらい色気を放って一目惚れさせるところや、悪気のない穏やかな笑顔と巧みな話術で人を誑かし、残忍な行いを平気で行うヴィランらしさ、実際にいたらその甘い毒牙に簡単に引っかかってしまいそうな、甘美で危うい雰囲気が好きです。(グリングリンバルバル さん)
排他的なのにカリスマと色気を兼ね備え、これぞ悪役!という演技が最高にクールだった。シンプルに顔がいい。(ぷー さん)
色気と美しさ。悪役だけど憎めない。最後の戦闘シーンも大好きです!(はる さん)
カリスマ性と気品と色気!残酷でありながら、少しでも敵意があれば反応する血の誓いのペンダントをもち続けられていたことからもダンブルドアへの思いの深さがわかります。思いはあるけれど、敵対しなければいけない2人の互いの胸に手を当てての戦いのシーンは、求め合う手であり、牽制し合う手でであり、アンビバレントな思いの交錯する名シーンでした!(貝斗美月 さん)
暗くて怖い悪役でありながらも色気があってかっこよく、目が離せない。(まのん さん)
人間味があるのに怖いって印象なのに、持ち前の色気とのギャップがたまらん!(蒼空 さん)
マッツの色気が素晴らしく、グリンデルバルドの人を魅了して従わせる感じとマッチしててダンブルドアの“元彼”っていうのがしっくりくるし、ほんとにゲラート・グリンデルバルドの色気がすごい(みり さん)
色気とダンディなかっこよさ、ダークな雰囲気を持ちつつどこか惹かれる要素がある(のぞみん さん)
溢れ出る色気がすごい。ジョニデのグリンデルバルドと違って人間味がある。(みゅう さん)
マッツは『ダンブルドアの秘密』の公開後、批判されることを覚悟しながらオファーを引き受けた理由として、グリンデルバルドとダンブルドアの「美しく、残酷な過去」に惹かれたからだと明かしていた。物語のエッセンスを理解していたマッツだからこそ、デップが見事に築いたグリンデルバルドのカリスマ性を損なわせることなく、新たな魅力を生み出すことができたのだろう。
デップ版グリンデルバルドも良い!
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ところで、THE RIVERの人気投票では8位にランクインしたデップ版グリンデルバルドに対しても、ファンからは愛のあるコメントがたくさん寄せられた。
ジョニーデップの溢れ出る妖しく強いオーラがグリンデルバルドというキャラクターにマッチしていて、史上最高の悪役だと思っている。(ピータ さん)
マッツ版とはまた違った、どこか子供っぽいような、ユーモアを備えたカリスマといった感じが好きです。でもどちらのグリンデルバルドもかっこいい!(綿花 さん)
カリスマせいが隠しきれてないところ(らい さん)
俳優のジョニーデップが昔から好きで、グリンデルバルト役を最初映画を観た時には気づかなかったのですが、ジョニーデップだと知った後にまた映画を観ました。この時、グリンデルバルトの悪さや狡猾さ口調に魅了され、とても好きなキャラクターになりました。(フヴーバー さん)
The悪のカリスマなところ。圧倒的なオーラで自らの道を突き進んでいくところ。(レイブンクロー生 さん)
恐ろしいのに惹きつけられてしまう、まさに闇のカリスマという感じ。(ワン さん)
マッツが愛を尊重(?)するタイプのゲラートで、ジョニデは冷酷(自分の目的を達成するためなら手段選ばなそう)なタイプのゲラートという感じがする。どっちのゲラートもすごい最高。(素人 さん)
悪のカリスマ。見た目や演説のシーンなど魅力的。(マロ さん)
マッツが演じるグリンデルバルドが静ならば動の様なグリンデルバルドも好きだから(でん さん)
あの底がしれない雰囲気はジョニデにしか出せない(ちー さん)
ヴォルデモートよりも冷たさや恐ろしさを感じたキャラクター。ジョニーデップ版とマッツミケルセン版両方作って欲しい。(amy さん)
結局のところ、マッツ版とデップ版両方にそれぞれの魅力があるわけだが、いつか2人のグリンデルバルドが同時に存在する世界線など訪れないだろうか。それを叶える魔法が存在しない限り難しそうだが、少なくともマッツとデップは2023年5月にカンヌ国際映画祭で対面を果たしている。