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マーベル・シネマティック・ユニバースはなぜ成功したか?ヴィジョン役ポール・ベタニーが見た舞台裏とは

Photo by Chris Jackson https://www.flickr.com/photos/cmjcool/8633318298/

これほどのビッグ・シリーズになることを一体誰が予想しただろうか。
2008年『アイアンマン』に始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、登場するヒーローやキャラクターを作品ごとに増やし、ストーリーを緊密にリンクさせながら、それぞれの作品に非常に高いクオリティを実現することで、文字通りの“ユニバース”を映画史に出現させた。11年目となる2018年、アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーで、これまでのストーリーはクライマックスへと向かっていく。

しかし、いわば前人未到といっていいこの巨大プロジェクトはなぜ成功したのか? ディズニー傘下という巨大資本があったからか、それとも米国におけるコミック・ヒーローの認知度か、あるいは映画それぞれの品質によるものか……。いずれも間違いではないだろうが、内部から見た風景は少し違っているのかもしれない。ヴィジョン役のポール・ベタニーが、インタビューにて舞台裏を語った。

ポール・ベタニー
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14779563456/

MCU作品は「ファンたちが作っている」

そもそもヴィジョン役のポールは、『アイアンマン』シリーズで人工知能J.A.R.V.I.S.の声を担当していた人物だった。ヴィジョンとしての姿を得たのは、初登場から7年後に公開された『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)。声の出演から本人の実写出演へ、しかも演じるキャラクターは同じであって同じでない……。こうした形態でMCUに出演してきた俳優は他に類を見ない。

「マーベル(・シネマティック・ユニバース)作品の成功は、(映画を)ファンたちが作っているからだと思います」と言い切るポールは、その実感を得た際のエピソードをこう語っている。

「彼ら(マーベル・スタジオのメンバー)は、キャラクターを心から愛しているんです。僕が初めてヴィジョンの格好をした時、ケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)はほとんど泣いてましたね。僕はコミックを読んで育ってきたわけではありませんが、(観客の)みんながキャラクターとの恋に落ちる。彼らはそういう仕事をしているんです。」

さらにポールは、マーベルのスタッフの働きぶりをこう熱弁する。

「物語に対する彼らの愛情が周囲に伝わっているし、すごく力を注いで、お金以上の働きをしている人たちがたくさんいます。いい仕事をしたがっているんですよ。ファンのみなさんも、そのことに信頼を置いてますよね。もし何かを変えるとしても、彼らは丁寧に扱いますよ。物語を丁寧に扱っているんです。[中略]この映画(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』)はギークたちが作った映画。彼らはキャラクターが大好きなんですよ、話してるのを聞けばわかりますね。」

「ファンたちが作っている」という言葉は、しばしば「ファンによって支えられている」という感謝の表現として使われる。しかしポールによれば、MCUは文字通り「ファンが作っている」というのだ。もしかするとその情熱は、ハリウッドの巨大スタジオが作る大作映画というよりも、ともすれば自主製作映画のそれに近いのかもしれない。

ところで気になるのは、ポールの「もし何かを変えるとしても」という言葉だ。これまでMCUは作風の方向転換や、コミックの要素を映画化にあたって変更するなど、さまざまな工夫を凝らしてきたが、このインタビューが行われたのは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影現場である。ヒーローの退場すら示唆されている本作の製作中に「何かが変わる」とは、一体どういうことなのか……?

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-iw.html

Source: SR
Eyecatch Image: Photo by Chris Jackson

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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