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クリストファー・ノーラン、なぜ『ダークナイト』第4作を撮らなかったのか ─ クリスチャン・ベールが明かす

ダークナイト
© Warner Bros. Entertainment, Inc.

クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』3部作は、DCコミックスの人気ヒーロー・バットマンの映画化作品として高い評価を得ている。その後、『インターステラー』(2014)や『ダンケルク』(2017)を経て、いまや“現代の巨匠”ともいうべきポジションを手にしたノーランだが、『ダークナイト ライジング』(2012)に次ぐ第4作を撮るという選択肢は本当になかったのだろうか。

Toronto Sunのインタビューでは、バットマン役のクリスチャン・ベールが、「なぜ4作目は撮られなかったのか」という謎に答えをもたらしている。当時、ノーランとベールは「コミック映画を再発明しなければならない」との思いを抱いていたという。

「当時、“新しいバットマンをやるんだ”と言ったら笑われたこともありますよ。だけどうまくいったのは、何よりもクリス(ノーラン)の解釈があったから。だけど僕たちは、2本以上の映画を作ることができるなんてことは一度も思っていなかったんです。クリスはいつも“今回かぎり。1本だけ作って、それで終わり”と言っていました。そうしたら、“もう1本やりたくないですか?”と言われて。」

すなわち『ダークナイト』3部作の幕開けを飾った『バットマン ビギンズ』(2005)は、あくまでバットマンのオリジンをノーランなりの解釈で描き直すことだけに焦点が当てられていたことになる。その後、ヒース・レジャーが演じたジョーカーで伝説となった『ダークナイト』(2008)の製作に入った際も、ノーランとベールは「今回かぎり、次はないと思う」と話していたとか。その後、2人のもとには3作目の打診が届くことになる。

クリスは僕に、もしも3本撮って、それで終わりにできたらいいな、と常に言っていました。だから(3作目では)“これでお別れにしよう”と。やはり、その後にも“4作目をやりませんか”と言ってもらいましたが、僕は“ノー。僕たちはクリスの夢に忠実でありたいので”と答えたんです。うまくいったら3部作にする、という夢ですね。広げすぎたり、やり過ぎたりするのはやめておこうと思いました。だから僕たちは――クリスも――去ったということです。あとから、(4作目を)やる必要は全くなかったと知らされましたけど(笑)。」

1986年にデビューしたベールは、すでに芸歴30年を超えるキャリアの持ち主。同じインタビューでは「今までにもらった中で最高のアドバイスは?」との質問に「退屈は罪」と答えているが、これも『ダークナイト』4作目が作られなかった理由に紐づくものと言えそうだ。ちなみに、そんなベールの夢は、バイクに乗って姿を消し、世界中を旅することだそう。「まだやってませんが、いつかやりますよ」。

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Source: Toronto Sun

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。