「スタートレック」初代カーク船長ウィリアム・シャトナーが宇宙へ ─ 世界最高齢の宇宙旅行者に

今なお愛される伝説のSFシリーズ「スタートレック」で、初代ジェームズ・T・カーク船長を演じたウィリアム・シャトナーが、宇宙へ行くことがわかった。
夢の宇宙トラベルにあたり、シャトナーが搭乗するロケットは、米Amazonの元CEOジェフ・ベゾスが創設した民間宇宙開発企業Blue Origin(ブルー・オリジン)が提供するもの。2021年7月11日、英実業家リチャード・ブランソンによる宇宙旅行サービス企業Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の有人試験飛行に続き、ベゾス率いるブルー・オリジンも同月20日に有人飛行を実施。ベゾス含め10〜80代までの民間人4人の宇宙トラベルを成功させたことで話題となった。
ブルー・オリジンはさっそく、10月12日に初回と同じニューシェパード・ロケットを用いた2度目のフライトミッションを控えている。シャトナーは、この任務に、ブルー・オリジン幹部のオードリー・パワーズと共に参加することになったのだ。同社による公式発表ののち、シャトナーもTwitterで報告している。
So now I can say something. Yes, it’s true; I’m going to be a “rocket man!” 😝🤣 https://t.co/B2jFeXrr6L
— William Shatner (@WilliamShatner) October 4, 2021
「やっとお伝えできます。本当なんです。僕は“ロケットマン”になるんですよ!」
ブルー・オリジンによる初回飛行には、1960年代に女性宇宙飛行士として訓練された「マーキュリー13」の候補生だったウォリー・ファンクが搭乗しており、82歳で宇宙飛行に成功。宇宙行きを叶えた世界最高齢の人間となった。しかし、御年90歳のシャトナーの宇宙行きが実現すれば、はやくもファンクの記録を上回ることになる。
英BBCによれば、2013年頃、シャトナーは有人飛行を成功させた上述のリチャード・ブランソンから宇宙行きを誘われたものの、これを断っていたという。その理由については、「シャトナーが怖がっていた」というブランソンと、「お金のために命はかけられなかった」というシャトナーの主張に食い違いがあるため真相は定かでない。いずれにせよ、8年越しに訪れた宇宙行きのチャンスをシャトナーは再び掴んだのだ。
シャトナーとパワーズは、宇宙空間のスタートラインとして知られる海抜高度100キロメートル地点、通称カーマン・ラインまでニューシェパード・ロケットで上昇する予定。およそ10分間の滞在になるという。「スタートレック」ファンにとって世紀の瞬間がまもなく訪れる。
Source: BBC