映画版『嵐が丘』、原作とキャラ設定が違う? ─ マーゴット・ロビー「絶対納得するから待ってて」

『バービー』(2023)のマーゴット・ロビー主演、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)『saltburn』(2023)のエメラルド・フェネル監督最新作『嵐が丘』は原作のキャラクター設定とは異なるキャスティングに一部批判的な意見が上っている。主人公キャサリンを演じ、またプロデューサーも務めるロビーが、英Vogueのインタビューにて自身の見解を述べている。
本作の原作は、英作家エミリー・ブロンテの古典小説「嵐が丘(Wuthering Heights)」(1847年刊)。英ヨークシャーのハワースを舞台に、アーンショウ家とリントン家の間で3世代にわたって繰り広げられる物語。アーンショウ家の主人の娘キャサリン役をロビーが、嵐が丘に引き取られる孤児のヒースクリフ役を、『saltburn』に続いてフェネル監督作への出演となるジェイコブ・エロルディが演じる。
原作でキャサリンは髪色が茶色(ブルネット)のティーンエージャーと描写されているが、ロビーは現在35歳で、劇中での髪色はブロンドだ。ヒースクリフも原作では「肌の色が濃い」と描かれているが、演じるエロルディも、その少年時代を演じるオーウェン・クーパーも原作の描写にぴったりと当てはまるわけではない。
もっとも、監督のフェネルは映画版ではキャサリンの年齢を原作よりも年上に設定。20代半ばから30代前半であることを明らかにしているが、ロビーとエロルディがミスキャストではないかという意見はロビーもある程度把握している様子。「分かってますよ。現時点では、皆さんが映画を見るまでは他に手がかりとなるものはないですからね」とコメントしている。
また、ロビーは「私は(エロルディが)ヒースを演じているのを見たんですよ、彼はヒースクリフそのものです」と重ねる。
「待っててね、って言いたいです。信じて、絶対納得するよって。 ローレンス・オリヴィエからリチャード・バートン、レイフ・ファインズ、トム・ハーディに至るまで、これまでこの役を演じてきた偉大な俳優たちの系譜を受け継ぐものです。そのうちの一人になれるのは特別なことです。彼は素晴らしいし、私は彼のことをとても信頼しています。率直に言って、彼は私たち世代のダニエル・デイ=ルイスだと思ってます。」
原作小説は世界で最も知られた作品の一つとして、今日に至るまで多くの国で翻訳出版されており、数多く映像化、舞台化を重ねてきた。根強いファン層を抱えているだけに、予告編動画に対するコメントも「ものすごくゴージャスに見えるけど、原作に中指を立ててるのではないか」「ブロンテは今まさに墓の中でひっくり返っているだろうけど、正直言ってまだ興味があるんだよね」など、複雑な心境をつづったものが散見される。
フェネルはキャサリンというキャラクターを「スター」と捉え「マーゴットには圧倒的な存在感がある。それがキャサリンに必要な要素」とキャスティングの背景を説明している。フェネルによる大胆な翻案が、原作ファンも、新たなファンも魅了するものとなることに期待したい。
映画『嵐が丘』は、2026年全国ロードショー。
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Source:Vogue
























