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『ワンダーウーマン 1984』米国で異例の配信展開、作り手の想いとは ─ コロナ禍と公開延期を経て

ワンダーウーマン 1984
(c) 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (c) DC Comics

DC映画『ワンダーウーマン 1984』は、アメリカの映画業界において思わぬポジションに置かれた一作だ。本作は米国では2020年12月25日に劇場公開、同日よりHBO Maxで配信開始となる。この発表後、米ワーナー・ブラザースは2021年公開の映画をすべて同様のスタイルでリリースすることを決定。あまりにも大胆な決断に、ハリウッドでは動揺の声が広がっている。

ワーナーの決定を後押ししたであろう『ワンダーウーマン 1984』のパティ・ジェンキンス監督は、映画館と配信の同時展開という新機軸をどう捉えたのか。米SiriusXMにて、ジェンキンス監督は「一年前だったら激怒していたと思います」と述べている。

「どういう形であれ、ストリーミングに直行するなんてことは普通なら考えません。私は劇場公開を強く支持していますし、今の状況が終われば、またすぐにそうなるでしょう。ただ、今年は普通の一年ではありません。誰もが自分たちの生活を考えていて、できるかぎりのベストを尽くそうとしている。だから私は、良い選択肢がないのだと言い続けていました。いつまで待てばいいのか、(落ち着いたら)世界中ですべての映画が同時に公開されることになるのかって。良い選択肢などなかったんです。」

しかし実際のところ、劇場公開と配信を同日にスタートするという提案を受けた際、監督には少しばかりの安堵があったという。「(映画を)クリスマスにお家へ届けるんですから。私でさえ、そういうトーンを求めていました。現実を抜け出し、少しだけ自分を忘れられる映画を観たいって」。つまり監督の中でも、クリスマスやホリデーシーズンに作品を届けられる喜びが葛藤に勝ったのだ。「観客と繋がるために私は映画を作っています。今回は非常に高いレベルでそれができる」

『ワンダーウーマン 1984』ほどの大作映画を、映画館と配信リリースの両面で展開することはハリウッドにおいて初めてだ。どんな成果に繋がるかは未知数だが、いくら海外では劇場公開がベースになるとはいえ、従来通りの“大ヒット”は難しいのが現状だろう。ビジネス的な障壁を乗り越えて新機軸にこぎつけるべく、ワーナーは主演のガル・ガドットとジェンキンス監督に対し、映画がヒットした場合に支払われる報酬金の代わりとして1,000万ドルを追加で支払う契約を結んだと報じられている

度重なる公開延期を経て、いよいよお披露目となる『ワンダーウーマン 1984』。ジェンキンス監督は公開を喜びながら、「お願いです。できるだけ大きいスクリーンを探して観てください!」と付け足している。幸いにも大スクリーンでの展開が叶った日本のファンには、もはや言わずもがなだろう。

映画『ワンダーウーマン 1984』は2020年12月18日(金)より全国ロードショー。

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Source: SiriusXM, Comicbook.com

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THE RIVER編集部THE RIVER

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