世界からビートルズが消えたなら ─ 『イエスタデイ』主人公モデルはエド・シーランだった、ロンドン・プレミアよりレポート到着

“イエスタデイ(昨日)”までは誰もがザ・ビートルズを知っていた。しかし今日、彼らの名曲を覚えているのは世界でたった一人だけ。
2019年10月11日(金)公開、『トレインスポッティング』(1996)『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)のダニー・ボイル監督による最新作『イエスタデイ』より、イギリス・ロンドンで開催されたプレミアイベントのレポートが到着した。
『イエスタデイ』ロンドン・プレミア
2019年6月18日(火曜日・現地時間)、本作の舞台であり、ザ・ビートルズを生んだイギリスにてプレミアが実施された。会場にはダニー・ボイル監督や脚本家のリチャード・カーティス、主演のヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズやケイト・マッキノンのほか、本人役で出演したエド・シーランも登場。イエロー・カーペットで幸福な雰囲気に包まれた会場には、世界各国からメディアが集まった。

もしビートルズが存在しなかったら?
脚本家のリチャード・カーティスは、「ザ・ビートルズが存在しない世界はかなり酷い」と述べ、本作の着想や、ダニー・ボイル監督との初タッグについて語った。
「素晴らしいものをこの世からなくした後、ふたたび取り戻すというアイデアが素晴らしいと思いました。ダニーはアイデアが豊富で、非常にリラックスできましたね。エネルギーと想像力にあふれる人と一緒に仕事ができて嬉しかったです。」
一方のボイル監督は、「ザ・ビートルズがいかに貴重な存在なのかに気づくことになるんだと思います」と話している。「彼らの作品がいかに大切なのかを理解することになりますよ。“彼らがいなくなってしまったら、一体どうなるんだ?”って。劇中でも、その結果として何かがなくなったりするジョークも出てきます」。
主役に大抜擢されたヒメーシュ・パテルは、ボイル監督について「あまりに素晴らしく、気さくな人だから、すごい人物だってことをすぐに忘れてしまう。仕事をするのに最高の人ですよ」と語った。ヒロインのリリー・ジェームズは、バーバリーの白いシアードレスに身を包んで登場。『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』(2018)『ベイビー・ドライバー』(2017)と音楽がカギとなる作品が続くことについて、「音楽と映画は私のすべて。人生を楽しみ、逃避する方法でもあります」と話した。「音楽は私を別の世界に連れて行ってくれる。音楽なしでは生きていけませんよね」。

主人公、エド・シーランがモデルだった
エド・シーランと友人同士である脚本家のカーティスは、「売れなかったミュージシャンが世界一成功するというエピソードや、彼の恋愛模様はエドがモデルになっているんです。エド以外で本人役のキャスティングは考えられなかった」と明かし、ボイル監督も「エドに参加してもらえたのは素晴らしかった。一緒にいて楽しいし、仕事をするのは最高でした」と語っている。「作業を一緒に楽しんでくれて、不平を漏らすことも全くなかったですしね」。

そんなエド本人は、主人公ジャックのモデルが自分であることについて「嬉しかったですよ、光栄です」と喜んだ。ジャックがエド自身の住まいと同じサフォークの出身であることも気に入ったという。
「ずいぶん前に、リチャードからこういう題材の映画の脚本を書いていると聞いていたんです。それから、ダニーと一緒にディナーに招待されて、いろんな質問攻めにあって。どうしてそんなに聞くんだろうと不思議に思っていたら、依頼をもらったんです。(本人役は)自分を演じるわけですから、もっと簡単だと思っていたんですが、少し違いましたね。実際のコンサートで撮影したのも楽しかったです。」
ちなみに主演のヒメーシュは、「劇中でジャックが弾くギターを選びに行く時、エドにアドバイスをしてもらった」とのこと。「エドが自分自身のままでいてくれることが僕にとってのアドバイスだった。とても気さくで、あんな大スターなのに、それでも高潔でいられるんだってことを教わりましたね」。
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