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余命わずかの父のために『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観せて ─ 娘の呼びかけ、SNS上で拡散

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

余命数週間の宣告を受けた末期ガンを患う『007』ファンの父親に、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を見せてあげたい」。『007』シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』をめぐって、切実な願いを訴える女性の話が、米Varietyや英Yahoo!など、海外の大手メディアで大きく報道されている。

2021年6月22日、英ロンドン在住の女性レミー・ミラー氏が、文章と1分あまりの動画をTwitterに投稿。「私の父親は、生涯を通じてジェームズ・ボンドのファンです。しかし、父は57歳で余命数週間と宣告されてしまいました。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の公開日には間に合わないでしょう。助けていただける方はいないでしょうか?詳細は私が作った動画を見てください」と、投稿の趣旨が綴られている。

レミー氏が撮影・編集した動画には、父親ジェームズ・ミラー氏の若き日の姿や、ジェームズ氏が「Bond Cottage(ボンド・コテージ)」と名付けた自宅が映し出されている。動画を見進めていくと、壁に飾られた初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーの写真や、ボロボロになるまで読みこまれたイアン・フレミングの原作本、映画のサウンドトラックとDVD、山積みになったボンドカーのプラモデルなど、ジェームズ氏が人生を通じて集めたアイテムが次々に登場。ジェームズ氏が『007』に捧げてきたこれまでの生涯が物語られている。

レミー氏は、動画に字幕を添えて「皆さんと同様、父は『ノー・タイム・トゥ・ダイ』をものすごく楽しみにしていました」と綴る一方で、「しかし大変皮肉なことに、彼の番(time)が来てしまいました」とも記している。最後に、「無理なお願いなのは承知ですが」と前置いた上で、「父が『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の試写(彼の視聴後は焼却で)を見られるような手助けをしてくれる方がいれば、死にゆく男に幸福をもたらすことになります」と切実なメッセージを加えた。

英Yahoo!の取材に応じたレミー氏は、インターネット上での大きな反響に、「善いことはインターネットでも起きうるということが証明されました」と胸の内を明かす。「ボンドファンの方々も素晴らしいです」。

レミー氏は、父親を失望させないようにと、Twitter上で行った呼びかけのことをジェームズ氏に伝えていないという。また、「死を待つ者にとって、時間はとてもゆっくりと流れます。何もしてあげられない時は絶望感に襲われます」と話した上で、「父は1日をベッドで過ごしており、疲弊しています」と切迫した現状を語った。

レミー氏は投稿の中で、『007』公式と『007』シリーズの配給を担当するユニバーサル・ピクチャーズの米Twitterアカウントをメンションしているが、現時点で先方からの動きは見られていない。Varietyは、ユニバーサル・ピクチャーズと、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を含む『007』シリーズの製作を務めてきた製作会社イーオン・プロダクションズに、ミラー氏の所望への対応を求めるコメントを申請中だという。ジェームズ氏の最期の願いを叶えるためには、素早い決断と動きが求められる。

ちなみに以前、米ウォルト・ディズニー・カンパニーは、映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2020)の公開を前に死期が迫っていた『スター・ウォーズ』ファンの男性に、プライベート上映を許可し、最期の願いを叶えていた

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Source: Variety,Yahoo!

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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