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2024年アカデミー賞、作品賞ノミネート映画まるわかりガイド ─ 日本での公開、配信状況まとめ

2024年 第96回 アカデミー賞

2024年1月23日(日本時間)、第96回アカデミー賞のノミネート作品が発表となった。賞の目玉である作品賞ではバラエティに富んだ映画がラインナップ。日本ではこれから上映開始となる作品も複数ある。

本記事では、作品賞にノミネートされた計10作品を一挙に紹介。あらすじや出演者&製作陣、公開状況などをお伝えする。

『American Fiction(原題)』

公開情報:2023年12月15日、米公開。日本公開は未定。

原作は、2001年に刊行されたパーシヴァル・エヴェレットの小説『イレイジャー(原題)』。ドラマ「ウォッチメン」(2019)や「グッド・プレイス」(2016-2019)のコード・ジェファーソンが長編監督デビューを飾った。

主人公は、ロサンゼルスで教授職に就きながら作家としても活動する中年男性のセロニアス・“モンク”・エリソン。最新作の原稿を出版社に持ち込むも、黒人らしさが足りないという指摘を受け、はねのけられてしまう。そんなセロニアスはふざけ半分でいかにも黒人らしい物語を書き殴り、別名義で出版社に送り込む。すると思いがけないことに、その小説が好評を博してしまい…….。

『American Fiction』で主演を務めたのは、『007』シリーズや『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)などで知られるジェフリー・ライト。本作では自身初のアカデミー賞主演男優賞ノミネートを果たした。ほか共演には、「ブラッキッシュ」(2014-2022)のトレイシー・エリス・ロス、同作で助演男優賞にノミネートされたスターリング・K・ブラウン、「The O.C.」(2003-2007)のアダム・ブロディ、『バービー』(2023)のイッサ・レイ、『ワイルド・スピード MAX』(2009)ブラガ役のジョン・オーティスらが名を連ねている。

『落下の解剖学』

落下の解剖学
(C)2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne‐Rhône‐Alpes Cinéma

公開情報:2024年2月23日(金・祝)日本公開。

第76回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞し、第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、主演女優賞(ドラマ部門/ザンドラ・ヒュラー)、脚本賞、外国語映画賞の4部門にノミネートされた話題作。

人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)に殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。事件の真相を追っていく中で、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ“真実”が現れるが……。

主人公サンドラ役を演じるのは、『ありがとう、トニ・エルドマン』(2016)などで知られるドイツ出身のザンドラ・ヒュラー。本年度映画賞レース主演女優賞最有力候補としても注目されており、ゴールデングローブ賞主演女優賞(映画部門)を受賞したほか、アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた。メガホンを取ったのはフランス出身の女性監督、ジュスティーヌ・トリエ。『ヴィクトリア』(2016)や『愛欲のセラピー』(2019)などで知られている。アカデミー賞では監督賞、脚本賞でノミネートされた。

『バービー』

バービー
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

公開情報:ブルーレイ、DVD &4K UHD&デジタル配信中。2024年2月2日(金)よりリバイバル上映。

マーゴット・ロビー主演&製作、『レディ・バード』(2017)『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)のグレタ・ガーウィグがメガホンを取った作品。2023年夏、『オッペンハイマー』と共に映画館業界を盛り上げた記念碑的1作でもある。

舞台となるのは、すべてが完璧で毎日がハッピーな夢のような世界、バービーランド。ピンクに彩られた世界で暮らす住人は、皆が“バービー”であり皆が“ケン”と呼ばれている。そこでバービーと恋人のケンが連日繰り広げるのはパーティー、ドライブ、サーフィン、デート。そんな完璧な毎日が続くバービーランドからある日ふたりは、完璧とは程遠い“人間の世界”(リアルワールド)に迷い込んでしまう……。異世界を目の当たりにした2人には様々な感情の変化が見られるようになり、本当に大切なものを見つけていく。

主演は、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)や『バビロン』(2022)などのマーゴット・ロビー。同作では製作も兼任し、プロデューサーとしての手腕も振るった。奔放なバービーのボーイフレンド、ケン役にはライアン・ゴズリング。このほか、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)のシム・リウや、『エルフ 〜サンタの国からやってきた〜』(2003)のウィル・フェレル、『ゴーストバスターズ』(2016)のケイト・マッキノン、『ナイル殺人事件』(2022)のエマ・マッキー、『ワイルド・スピード』シリーズのジョン・シナ、シンガーソングライターでファッションモデルのデュア・リパらが名を連ねている。

アカデミー賞では、作品賞や脚色賞など計8部門にノミネート。主演女優賞、監督賞での入選は逃した。助演男優賞にノミネートされたライアン・ゴズリングは「バービー無くしてケンはいません。グレタ・ガーウィグとマーゴット・ロビー無くして『バービー』もありません」とコメント。「控えめに言ってガッカリしています」と失望を露わにもしていた

『The Holdovers(原題)』

公開情報:2023年10月27日、米公開。日本公開は未定。

『サイドウェイ』(2004)のアレクサンダー・ペイン監督とポール・ジアマッティが再タッグを組んだ1作。

1970年代初頭、米マサチューセッツ州のクリスマスを舞台に、実家に帰省しない寄宿学校に通う少年たちの面倒を見ることになった教師の男を描いたコメディチックなストーリー。ジアマッティ演じる陰鬱な教師は少年の1人と敵対するが、次第に心を通わせるようになり、家族のような関係性を築き上げていく。

『The Holdovers』は、アカデミー賞で作品賞、主演男優賞を含む計5部門にノミネート。『シンデレラマン』(2005)以来2度目のノミネートとなるジアマッティは、「人生で正しいことをしたんだという気持ちになった」と喜びのコメントを出した。共演には、本作で映画デビューを果たしたドミニク・セッサや『ザ・ロストシティ』(2022)のダヴァイン・ジョイ・ランドルフらが名を連ねている。

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
画像提供 Apple

公開情報:Apple TV+独占配信中。

マーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオの最新タッグ作。ロバート・デ・ニーロも加え、強力なアンサンブルが実現した3時間26分に及ぶ大作だ。

『キラーズ・オブ・ザ・フワラームーン』は、石油の発見により莫大な富を手に入れた米オクラホマ州の先住民、オセージ族に起きた連続殺人事件の謎に迫るノンフィクション・クライムサスペンス。加害者である白人の視点から、富の強奪を目論む人間の醜悪な姿が暴かれていく。

ディカプリオやデ・ニーロのほか、共演には『ファースト・カウ』のリリー・グラッドストーンをはじめ、『ザ・ホエール』(2022)のブレンダン・フレイザー、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)ジェシー・プレモンスら実力派俳優たちが顔をそろえた。

アカデミー賞では、『オッペンハイマー』と『哀れなるものたち』に続き10部門でノミネート。監督賞、作品賞、助演男優賞(デ・ニーロ)で入選を果たしたが、主演のディカプリオはノミネートから漏れた。なかでも注目は、ネイティブ・アメリカンの女優史上初のアカデミ賞ノミネートを果たしたリリー・グラッドストーン。ノミネート発表後、リリーは自身の功績が次世代のネイティブ・アメリカン俳優たちを鼓舞するものとなることを願いながら、「私が(ノミネートされる)最後の人にならないということは分かっています」とコメントしている

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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