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2024年アカデミー賞、作品賞ノミネート映画まるわかりガイド ─ 日本での公開、配信状況まとめ

2024年 第96回 アカデミー賞

『マエストロ その音楽と愛と』

公開情報:Netflix独占配信中。

『アリー/スター誕生』(2018)のブラッドリー・クーパー監督、主演、共同脚本。ユダヤ系アメリカ人の指揮者レナード・バーンスタイン激動の半生を綴った1作。

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『ウエスト・サイド物語』の音楽を手掛けるなど世界的に知られた指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインと、女優・ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインが共に歩んだ生涯を振り返る“愛の巨編”。老年期のレナードによる回想を通じて、病により先立ったフェリシアとの波乱に満ちたラブストーリーが描かれる。

主演のクーパーのほか、共演にはフェリシア役で『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)キャリー・マリガン、「ホワイトカラー」(2009-2014)のマット・ボマー、「ストレンジャー・シングス未知の世界」(2017-)のマヤ・ホークら。プロデューサーとして巨匠マーティン・スコセッシやスティーヴン・スピルバーグが名を連ねた。

アカデミー賞では作品賞や監督賞含む7部門でノミネート。全く期待していなかったというブラッドリー・クーパーは「信じられないです」と語り、作品の功績を喜んだ。

『オッペンハイマー』

オッペンハイマー
© Universal Pictures. All Rights Reserved.

公開情報:2024年3月29日(金)日本公開。

『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』(2010)『インターステラー』(2014)などを手掛けてきたクリストファー・ノーラン監督の最新作。

『オッペンハイマー』の主人公は、第二次世界大戦中に進められた原子爆弾の開発・製造を目的とする“マンハッタン計画”を主導した理論物理学者、J・ロバート・オッペンハイマー。本編では、過去・現在・未来とタイムラインを往来しながら、のちに“原爆の父”と呼ばれることになった男の半生が綴られていく。

2023年度の賞レースを牽引しており、ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)や監督賞、主演&助演男優賞、作曲賞の5部門において受賞した。アカデミー賞では最多13部門ノミネートを果たし、ノーラン監督も「このレベルの成功は想像していませんでした」と驚きのコメントを出している

主人公のオッペンハイマー役を演じるのは、ノーラン作品6度目の出演にして初の主演を勝ち取り、アカデミー賞では主演男優賞にもノミネートされたキリアン・マーフィー。共演には、オッペンハイマーの妻・キティ役でエミリー・ブラント、「マンハッタン計画」を指揮したレズリー・グローヴス役でマット・デイモン、アメリカ原子力委員会の会長にして戦後オッペンハイマーとの対立劇を繰り広げるルイス・ストロース役でロバート・ダウニー・Jr.、オッペンハイマーの愛人ジーン・タトロック役でフローレンス・ピューが名を連ねている。

ほか、ベニー・サフディやケネス・ブラナー、ジョシュ・ハートネット、ラミ・マレック、マシュー・モディーン、デイン・デハーン、ジャック・クエイド、オールデン・エアエンライク、ジェイソン・クラークといった若手からベテランまで多彩なキャストが顔ぶれが脇を固めた。さらに、名優ゲイリー・オールドマンも僅かだが脳裏に焼きつく重要な役どころで出演している。

『パスト ライブス/再会』

パスト ライブス/再会
Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

公開情報:2024年4月5日(金)日本公開。

長編映画監督デビュー作にしてアカデミー賞初ノミネートを飾った注目のフィルムメイカー、セリーヌ・ソンが手がけるラブストーリー。

『パスト ライブス/再会』は、移住によって離れ離れになった幼なじみのふたりが24年後、36歳の夏にニューヨークで再会する7日間を描く物語。米映画レビューサイトRotten Tomatoesでは批評家スコア96%の高評価を獲得している。

本作で鮮烈な長編映画監督デビューを飾ったのは、セリーヌ・ソン。12歳の時に家族と共にカナダへ移住した自身の原体験を元にオリジナル脚本を執筆した。ソンは作品賞、脚本賞でノミネートされるなど、今ハリウッドで最も注目されるアジア系フィルムメイカーだ。

主人公・ノラ役には、Netflixのドラマシリーズ「ロシアン・ドール」(2019-)で注目され、声優として『スパイダーマン スパイダーバース』(2018)にも参加したグレタ・リー。幼なじみのヘソン役にはソウルを拠点に活躍するユ・テオ、夫・アーサー役には『キャロル』(2015)や『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015)『ファースト・カウ』(2020)のジョン・マガロが起用された。

『哀れなるものたち』

哀れなるものたち
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

公開情報:2024年1月26日(金)日本公開。

『女王陛下のお気に入り』(2018)のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組んだ注目の1作だ。

原作はスコットランドの作家アラスター・グレイ著の傑作ゴシック小説「哀れなるものたち」(早川書房刊)。自ら命を絶った不幸な若き女性ベラが、天才外科医の手によって奇跡的に蘇生することから始まる物語だ。蘇ったベラは “世界を自分の目で見たい”という強い欲望に導かれ、放蕩者の弁護士ダンカンの誘いに乗り、壮大な大陸横断の冒険の旅へ出る。貪欲に世界を吸収していくベラは平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれていくのだった……。

アカデミー賞では、『オッペンハイマー』に続き11部門でノミネート。作品賞、主演女優賞、脚色賞をはじめ主要部門での入選を果たした。

主人公ベラを演じるのは、『ラ・ラ・ランド』(2016)でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたエマ・ストーン。プロデューサーも兼任している。また、天才外科医のゴッドウィン・バクスター役で名優ウィレム・デフォー、ベラを誘惑し大陸横断の旅に連れ出すダンカン役で『アベンジャーズ』シリーズのハルク役で知られるマーク・ラファロが出演している。

『関心領域』

 関心領域
© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.

公開情報:2024年5月24日(金)日本公開。

A24製作、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013)のジョナサン・グレイザー監督の最新作。

『関心領域』はイギリスの作家マーティン・エイミスの同名小説を原案に、グレイザー監督が10年もの歳月をかけて映画化したもの。第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュヴィッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。

第76回カンヌ国際映画祭でのグランプリを皮切りに、全米映画批評家協会賞(監督賞・主演女優賞)、トロント映画批評家協会賞(作品賞・監督賞)など、世界各地の映画祭で受賞。ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞ドラマ部門、最優秀非英語映画賞、最優秀作曲賞にノミネートされた。アカデミー賞では5部門でのノミネートを果たしている。

出演者には、『ヒトラー暗殺、13分の誤算』(2015)のクリスティアン・フリーデルや『落下の解剖学』で主演を務めるザンドラ・ヒュラーら。グレイザー監督は脚本も兼任している。

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Source:Deadline (1,2,3),THR

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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