セバスチャン・スタンが素顔で演じる『顔を捨てた男』人生の喜びと屈折 ─ 『わたしは最悪。』俳優との共演映像

マーベル映画のバッキー・バーンズ役で知られるセバスチャン・スタン主演、A24製作による“究極の不条理スリラー”『顔を捨てた男』より、スタンが素顔で登場する本編映像が公開された。
共演は、『わたしは最悪。』(2021)でカンヌ国際映画祭の主演女優賞に輝いたノルウェー出身の俳優レナーテ・レインスヴェ。本作を経て、スタンとは新作映画『Fjord(原題)』でも再びタッグを組むことが決定している。

顔に極端な変形を持つ、俳優志望のエドワード(スタン)。自分の気持ちを閉じ込めて生きる彼は、ある日、外見を劇的に変える治療を受け、別人のガイとして生きることに。密かに好意を寄せていた劇作家イングリッド(レインスヴェ)は、今ではかつてのエドワードをモデルにした舞台に取り組み、配役オーディションを行っていた。エドワードは、これぞ自分にしか演じられない役だと考え、ガイとしてオーディションを受ける。
公開された本編映像は、エドワードがガイとしてイングリッドに接するワンシーン。「本音を言えばマスクのような顔の役者を使いたかった」というイングリッドだが、葛藤を明かしながらもガイの演技を絶賛する。思わず笑みをこぼすガイを演じるスタンの表現には、単なる喜びだけでなく、エドワードの屈折した側面をも見て取ることができる。ちなみに、エドワード=ガイが見つめる視線の先で女性と立っている男は、本作を手がけたアーロン・シンバーグ監督だ。
イングリッド役のレナーテ・レインスヴェは、本作で初めて全編英語の演技に挑戦。『わたしは最悪。』でレインスヴェに惚れ込んだシンバーグ監督が、スタンにまず相談したところ、スタンも「(『わたしは最悪。』での)彼女の演技には圧倒された」と意見が合致し、脚本を送ることになったという。
当時、レインスヴェの手元にはたくさんの脚本が送られてきていたが、「当時受け取った脚本の中で一番興味深く、そして難しい役だった」と本作について語る。イングリッドはエドワードの隣に引っ越してくる劇作家の卵であり、隣人として、また劇作家として、顔を変える前後のエドワード=ガイと深く関わっていく役どころだ。
レインスヴェは、「他人の物語を戯曲にするのは、彼女が自分の感情と向き合えていないからこそ。イングリッドは自分の人生を見つけようとしている人だと思います」と分析。シンバーグ監督は、イングリッドについて「ある瞬間は誘惑的で、皮肉っぽくもあり、拒絶的でもあり、そして不安げ。この映画で最も難しい役はイングリッド」と言っている。
なお、あわせて公開された場面写真は、スカーフを巻いて歩くイングリッドの後ろをガイがついていくシーンや、イングリッドがガイの演技に驚きを隠せない表情や、自らが作る舞台について話す場面を切り取ったものだ。
映画『顔を捨てた男』は、2025年7月11日(金)より全国公開。
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