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ベン・アフレック版『ザ・バットマン』実現していたら「傑作だった」と関係者 ─ 「かつてない物語、80年間の神話を再構築していた」

ジャスティス・リーグ
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かつて、ベン・アフレック主演・監督・脚本による単独映画『バットマン』が企画されていた。2015年ごろから準備されていたこの作品は、2017年1月にアフレックが監督を降板したのち、DC幹部によって一時保留とされ、そのまま頓挫したのである。これに代わる企画として立ち上げられたのが、ロバート・パティンソン主演『THE BATMAN ―ザ・バットマン―』(2022)だった。

以前、DC映画ユニバース作品の監修やストーリーボード(絵コンテ)を担当していたジェイ・オリヴァは、幻のベン・アフレック版『バットマン』について「とんでもなく良くできていた。傑作だった、素晴らしかった」と当時の脚本を絶賛。米Inverseでは、ストーリーこそ語れないものの、興奮気味にその完成度を称えている。

「とにかく良かったのは、過去に掘り下げられたことのないバットマンのストーリーをいくつも繋ぎ合わせていたこと。ベンのストーリーは、コミックでも描かれたことのないものでありながら、過去80年間にわたるバットマンの神話を再構築していたんです。しかも、新しい視点からそこにアプローチしていた。非常にクレバーだったし、大好きなものがたくさんあったし、本当に実現してほしかったですね。」

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オリヴァが企画に加わった時点でアフレックの脚本作業はすでに進行しており、読んだのは「第2稿かなにかで、ジェフ・ジョンズとベンが見せてくれたもの」だったとのこと。当時を振り返り、「最初は最高のプロジェクトでした。個人的な事情でベンが降板せざるを得なくなって……そのことは僕も理解しています。ベンとの仕事は素晴らしい時間でした」と語った。

アフレックが監督の降板を決意したのは、『ジャスティス・リーグ』(2017)でザック・スナイダーの後任を務めたジョス・ウェドンとの仕事だった。2023年3月には、「『バットマン』を監督するつもりでしたが、『ジャスティス・リーグ』のせいで、“もう辞めた。二度とこんなことはやりたくないし、僕には向いていない”と思いました。クソみたいな経験ばかりの業界で、僕が目にした最悪の経験だったんです。心が折れた」と告白。同作のトラブルにより、アフレックがアルコール依存の問題を抱えていたことも明らかになっている

この経験はアフレックの心に深い傷を残したのだろう、今後もDC映画で監督をすることは「絶対にない」と断言している。「彼らのやり方に参加して監督したくない、そういうことに興味がない」と言っている以上、ベン・アフレック監督の『バットマン』が日の目を見ることはなさそうだ。

幻となった企画について、オリヴァは「いつか話せる日が来るかもしれません。だけど、今はまだ話せないんです」と述べている。

Source: Inverse

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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