『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が終わったら、マーベル映画はしばらく公開されないぞ ─ 『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』までの17ヶ月をどう過ごすか

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』がいよいよ日米同時公開となった(2025年7月25日)。今年は2月の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』、5月の『サンダーボルツ*』と続く3作目の劇場映画。アベンジャーズ新章に向けた期待が高まるばかりだが、本作をもってマーベル・スタジオ映画は次回まで少し空白期間が生じることとなる。
マーベル・スタジオの映画次回作は、いきなり『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』なのだ。もともと2026年5月公開予定だったが、12月18日に延期されている。ファンタスティック・フォーのキャスト(ペドロ・パスカル、ヴァネッサ・カービー、エボン・モス=バクラック、ジョセフ・クイン)は揃って再登場予定。『ファースト・ステップ』では、アベンジャーズ新章となる『ドゥームズデイ』に物語がどのようにつながるかも見どころの一つとなる。
劇場映画の公開に約17ヶ月もの長い期間が開くのはマーベル・スタジオにとって珍しいこと。もっとも、ユニバース全体ではソニー・ピクチャーズと共同の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が2026年7月31日にUS公開(日本は2026年夏)予定。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)に続く興奮と感動が期待されている作品だ。
ただし、『ドゥームズデイ』が公開延期したことに伴って、同作とは公開順序が逆転している。物語の連続性に影響がなければ良いのだが、そうであれば『ノー・ウェイ・ホーム』の公開日も動いてしまう可能性もある(今のところその気配はないので、このまま予定通り進んでほしいものだ)。
つまるところ、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』後は少なくとも1年はマーベル映画の劇場公開がなくなる。その間もマーベル・ファンは、ディズニープラスで配信予定のシリーズ作品を楽しむことができる。
8月6日には『ブラックパンサー』シリーズの舞台ワカンダの戦士たちを描くアニメシリーズ「アイズ・オブ・ワカンダ」が登場。「世界中を旅しながら、危険なヴィブラニウム製の人工物を回収する任務を課された勇敢な戦士たち」の物語が描かれる。この“戦士たち”は映画に登場したドーラ・ミラージュではなく、コミックに登場している“ワカンダの秘密警察”ハトゥット・ゼラゼだという。映画シリーズの監督ライアン・クーグラーも製作に携わる。
10月3日にもアニメ作品として「マーベル・ゾンビーズ」が出没。「ホワット・イフ…?」に登場していた、別世界でゾンビ化したスーパーヒーローたちを描くホラーシリーズだ。今年のハロウィンのトレンドとなりそう。
12月には新たな実写シリーズとして「ワンダーマン」がデビュー。主人公は俳優という設定で、『アクアマン』ブラックマンタ役のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が主演。『アイアンマン3』トレヴァー・スラッテリー役のベン・キングズレーも再登場する。ハリウッドを風刺する内容になるといい、1話あたり20~40分のカジュアルな作品になる。
年明けて2026年3月には「デアデビル:ボーン・アゲイン」シーズン2が登場。見応え抜群のハードなアクション・ドラマ新章で、今度は「ジェシカ・ジョーンズ」クリステン・リッターもNetflix版からカムバック参戦する。同時期には、パニッシャー(ジョン・バーンサル)の戦いを描く単独テレビスペシャルも登場予定だ。
その他、「ワンダヴィジョン」で消えたヴィジョンの“その後”を描く「ヴィジョンクエスト(仮題)」も控える。配信時期は不明だが、12月の『ドゥームズデイ』に先行することになるだろう。
マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、ディズニープラスの配信作品と劇場公開映画を連動させすぎた反省を語っており、今後は製作本数を削減する意向。これまでのように、ユニバースにも少なからぬ影響を及ぼすドラマシリーズは控えられていく。シリーズを熱心に追うファンにとっては少し寂しいことかもしれないが、2026年12月の『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』まではリラックスした長いインターバルが設けられることとなる。
そういった意味で、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は少しの間のマーベル映画の見納め作になるとも言える。後に自宅などで鑑賞できることになろうとも、見逃せば“劇場で観ておけばよかった!”と後悔してしまうことになるかもしれない。できるだけ映画館の大スクリーンで堪能し、友人と感想を語り合ったり、ネタバレ記事を読んだりして、このイベントを思う存分楽しんでほしい。
『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は大ヒット公開中。
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