コリン・ファレル『アフター・ヤン』10月日本公開決定 ─『コロンバス』監督&A24作、人間と人工知能のあわいを静謐な映像と音楽で描く

『コロンバス』(2017)のコゴナダ監督最新作『After Yang(原題)』が、『アフター・ヤン』として2022年10月21日(金)より日本公開されることが決定した。あわせてポスタービジュアルと場面写真が到着している。
舞台は、遠くない未来。AIロボットのヤンは、ある一家のもとで養女のミカとともに、慎ましくも幸せな日々を送っていた。しかしある日、ヤンは突然の故障で動かなくなってしまう。ふさぎ込む娘のために父親のジェイクは、ヤンの修理の手段を模索するが、そこでヤンが撮り溜めていた断片的な記録映像を発見する。そこには、ヤンの家族に向けられた温かなまなざしと、ある秘密が残されていた……。

監督・脚本は、『コロンバス』が世界中で話題となった映像作家、コゴナダ。小津安二郎監督の信奉者としても知られる韓国系米国人の監督は長編第2作となる本作で、A24とタッグを組んだ。派手な視覚効果などに一切頼ることなく、唯一無二の未来的な世界観を構築した。
さらにオリジナル・テーマ曲を監督が敬愛する坂本龍一に依頼し、音楽を手掛けたAska Matsumiyaの美しいアレンジに、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)で多くの観客の胸に刻まれた名曲「グライド」を、Mitskiによるバージョンで甦らせた。
キャストの顔ぶれも多様性に富んでいる。残された記録映像を手がかりに、ヤンのミステリアスな過去をたどっていく主人公役に扮するのは、『ロブスター』(2015)『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)などのコリン・ファレル。加えて、『ウィズアウト・リモース』(2021)のジョディ・ターナー=スミス、「アンブレラ・アカデミー」(2019−)のジャスティン・H・ミン、そして2011年生まれの聡明な子役、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤが切なくも温かな“未来の家族”を体現。『コロンバス』のヘイリー・ルー・リチャードソンが物語の鍵を握る謎めいた女性を演じる。

公開されたポスタービジュアルには、家族三人とともに、人間と何ら変わりない外見ながら時が止まってしまったAIロボット、ヤンの姿が描かれている。交わらない視線はすれ違う家族の風景を思わせるが、ミカがヤンの手を取り微笑みかける様子、その隣に添えられた「ありがとう、お兄ちゃん」というキャッチコピーが、かけがいのない絆で結ばれた関係性を想起させる。
ヤンの体内に残された映像には何が映っているのか。そこに刻まれたヤンの記録・記憶は、いったい何を物語るのか。そして、AIに感情は宿るのか。本作はそうした幾多の謎を提示しながら、さして遠くない未来に現実化しうる人とロボットとの関係性を観る者に問いかける。人間と人工知能のあわいを伏線豊かに描き、静謐な映像と心に響く音楽が観る者を魅了する、かつてない感動作が誕生した。
映画『アフター・ヤン』は、2022年10月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかロードショー。
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