【ネタバレ】「アソーカ」第2話解説 ─ 『スター・ウォーズ』銀河の新たな描写、シリーズの鍵となるクリーチャー

この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第2話『苦労と苦悩』のネタバレが含まれています。また、アニメ「反乱者たち」の内容にも触れています。

「スター・ウォーズ:アソーカ」第2話『苦労と苦悩』ストーリー解説
惑星ロザルの病室でサビーヌ・レンがうなされている。目を覚まして焦り始めるサビーヌをアソーカは宥めるが、ロックを解除した状態で星図が奪われたことを告げられると、ヒュイヤンと顔を見合わせるのであった。
サビーヌは「銀河が2つあった」と言う。これはスター・ウォーズ世界の常識がひっくり返るレベルの発言だ。銀河共和国も銀河帝国も、無数の太陽系から成る1つの銀河の中で統治を行ってきた。“未知領域”(unknow region)という場所もあるが、これも銀河内部で未踏の地とされている場所だ。
正史映像作品では、別の銀河の話は言及されたことがないはずだ。(例外として惑星カミーノは小さな伴銀河に位置しており、一応別銀河の扱いではある)レジェンズの物語には、別の銀河からユージャン・ヴォングという種族が新共和国を侵略する話がある。
正確な情報を全く掴めないまま星図を奪われてしまい、いら立ちを隠せないアソーカ。「私の助けがいるでしょ?」と言うサビーヌに「いいえ、もう十分」と冷たい一言を残し、残されているであろう敵のドロイドを捜しに行った。
通信塔を訪れると天井に潜んでいた暗殺ドロイドに襲われるも、あっさりと返り討ちにし、ドロイドを持ち帰る。サビーヌに見せたところ、メモリーを復活させることに成功。製造元が惑星コレリアであることが判明し、帝国時代にモーガンが所有していた工場を調べることにする。

一方、星図を手に入れたベイラン・スコールとシン・ハティは、別の銀河へ飛ぶ起点を発見した。厚い雲の影にはパーギルらしき影が見える。モーガンが星図を操作すると、別の銀河への道が映し出された。ベイランは同様のものを「ペリディアへの道」という名でおとぎ話に聞いたことがあると言うが、モーガンは実際に存在すると語るのであった。
パーギルとは、クジラのような見た目をしたクリーチャーだ。宇宙空間に生息し、特殊なガスを摂取することにより生身でハイパージャンプができる。人々はパーギルを参考にしてハイパージャンプ技術を生み出したとも言われている。
「反乱者たち」ではエズラ・ブリッジャーがパーギルとフォースでつながりを持っていることが描かれた。スローンもろとも銀河の彼方にハイパージャンプをしたのも、パーギルによるものだ。どうもパーギルは単なるハイパージャンプだけでなく、銀河間の移動までできてしまうようだ。ちなみにドラマ「マンダロリアン」(2019-)のシーズン3では、ハイパージャンプ中のグローグーの前にパーギルが姿を見せている。

アソーカとヘラ・シンドゥーラはコレリアに到着する。ヘラはチョッパーと共にファントムⅡでやって来たようだ。2人は元モーガンの工場を視察する。工場では帝国時代からの労働者が今も多く働いていることを知った。
空いた時間でヘラはサビーヌを再び弟子に取らないかとアソーカに提案する。しかし「まだ未熟」(not ready)であり、時が来れば本人が悟ると一蹴されてしまう。過去にケイナン・ジャラスがサビーヌの訓練を見ていた時も「ダークセーバーを持たせて稽古するには危険すぎる」と言うケイナンに対し、「セーバーを渡して己に打ち勝たせて」と助言していたヘラ。師匠へのメンターをしがちである。
2人は工場の責任者から生産体制の説明を受ける。ヘラは巨大なハイパードライブコアが組み立てられていることを見つけ、使用目的を確認するも機密事項だと返されてしまう。アソーカは工場で使用されているドロイドの種類を聞き出すと、5日前にモーガン配下と同じ型の暗殺ドロイドが目撃されていた。ちょうどそのドロイドがハイパードライブと共に出発するところだというのだ。

出発を阻止するよう命令を下すと、急に工場の従業員たちが襲いかかる。帝国のシンパが潜んでいたのだ。アソーカはマーロックと対峙し優勢に戦いを進めたが、輸送船が大気圏外に出ると敵は姿を消す。ヘラはファントムで追い、チョッパーが敵の輸送船に追跡装置を仕掛けることに成功する。
ケガも完治したサビーヌは、アソーカに拒否されたと悲観的になるが、ヒュイヤンから皮肉も愛もこもった激励を受けた。通信塔に戻ると、マンダロリアン・アーマーを取り出す。「反乱者たち」のエンディング時点で大きく変わっていたが、その後は手を付けていないようだ。
ベース色はかつてのオレンジから紫に塗り替えられている。また肩甲のデザインも変わった。以前はスペクターズでのコールサイン番号の“5”を右肩に、コンヴォアが左肩に描かれていたが、それぞれ新共和国のシンボルとパーギルだと思われる絵柄となっている。一方でエンディング時にはなかった、リスト・アーマーが装備として復活した。「反乱者たち」でフェン・ラウからもらったもの。

サビーヌはついに意を決したようだ。ヘルメットを前に正座し、ナイフで長髪を切り落とす。見慣れたショートカットのサビーヌが帰ってきた。アソーカに連絡し、準備ができた(I’m reday.)ことを告げる。スペクターズの壁画の元へ行き、描かれたエズラの右頬をなでると、ジェダイ・シャトルを背にアソーカが彼女を待ち受けていた。
ヒュイヤンは、ヘラから敵が惑星シートスにいると連絡があったと伝える。アソーカから「発進して、パダワン」と言われたサビーヌは、笑顔を浮かべながらハイパージャンプを行う。
その頃、シートス軌道上ではハイパードライブがコレリアから到着し、銀河間を移動することができる“シオンの目”の完成が近づく。ベイランはアソーカが迫っていることを懸念するも、モーガンは構わずスローン救出の意気に燃えているのであった。

アソーカは本話でついにサビーヌを再び弟子と認め、“パダワン”と呼んだ。前話では「正しい理由も誤った結果を招き得る」と語っていたが、彼女はその残酷な結果も受け入れた上で、己の信じる正しくも厳しい道を選ぶと心に決めているようだ。だからこそサビーヌが刺されても態度を翻さなかったのではないだろうか。弟子からの申し出を待っていたのである。
次回からは、これまで知っていた銀河の外に出る展開となりそうだ。アソーカとサビーヌの新たな師弟コンビの活躍に注目していきたい。
「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。
Check「スター・ウォーズ:アソーカ」エピソード解説
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