【ネタバレ】「アソーカ」第5話解説 ─ 「クローン・ウォーズ」と映画がつながる重要回、各シーンの背景を知る

この記事には、「スター・ウォーズ:アソーカ」第5話『影武者』のネタバレが含まれています。

Check「スター・ウォーズ:アソーカ」エピソード解説
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アナキン・スカイウォーカー登場!
「スター・ウォーズ:アソーカ」第5話『影武者』ストーリー解説
『スター・ウォーズ』ドラマ「アソーカ」第5話『影武者』の冒頭では、惑星シートスの風景が次々と映し出される。ここでのカメラワークは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)が意識されているように見える。ルーク・スカイウォーカーによる“レッスン1”でレイがフォースを通じて見た風景だ。フォースの本質や「生と死」というテーマも本話と共通している。
本作の製作総指揮・脚本を務めるデイヴ・フィローニは、『エピソード8』の撮影現場を訪れており、その際の経験をこう語っている。(「スター・ウォーズ 『マンダロリアン』 シーズン1 公式アートブック」より引用)
「カメラを持ったライアン・ジョンソン監督が、近くに来るように言ってくれたんだ。カメラを僕の手に押し込んで、“よし、カメラをのぞいてみて”と言ったんだ。ライアンは僕を連れて回り、場面をどう演出するか教えてくれた実写ドラマを撮りたいと思っていた僕にはっきり道を示してくれたんだ」
それまでアニメ製作一筋であったフィローニにとって心強い教えであっただろう。そのリスペクトを込めたオマージュだったのかもしれない。彼からの教えも受けた後、キャサリーン・ケネディによってジョン・ファヴローと引き合わされ、ドラマ「マンダロリアン」(2019-)を担当することになった。

前話の最後で、“世界の狭間の世界”において師匠アナキン・スカイウォーカーとの再会を果たしたアソーカ。アナキンは最後の訓練として「生きるか、死ぬか」と問いかけ、ライトセーバーを起動する。動揺したアソーカが「私は戦わない」と返すのにも構わず斬りかかってきた。
アナキンの苛烈な攻撃に対して後退し続けるアソーカであったが、ようやく一発の蹴りをお見舞いする。「もう教えることはない?」と得意げに聞くが、「まだあるさ」と答えるアナキンに足場を切り崩され、奈落の底に落ちていくのであった。
一方、シートス地表に降り立ったヘラ・シンドゥーラ将軍、息子のジェイセン、ドロイドのチョッパーは古代遺跡の隅にたたずむヒュイヤンを見つける。「離れるなと言ったのに」と2人を見失ったことを悔やむのであった。その腕にはサビーヌ・レンのヘルメットが抱えられている。
パイロットのカーソン・テヴァが、新共和国本部へ報告する必要があるとヘラに話す。今は“オーガナ議員”がかばってくれているが長くはもたないと言った。“オーガナ議員”とは、もちろん新共和国の元老院議員として働くレイア・オーガナ・ソロのことである。レイアはアニメ「反乱者たち」(2014-2018)でも登場している。反乱軍で大きな役割を果たした2人は面識があり、帝国の脅威を理解している彼女はヘラに手助けをしてくれていたのだろう。
海辺に立っていたジェイセンがカーソンとヘラの会話にふと割り込んでくる。不思議なことに彼の耳にはアナキンとアソーカが交えるライトセーバーの音が聞こえていたのだ。彼の父親がジェダイのケイナン・ジャラスであることもついに言及された。ヘラは息子の言葉を信じて海面の捜索を始める。

クローン大戦
気が付くとアソーカはクローン大戦の戦場にいた。しかも当時の姿でだ。14歳の時のアソーカを演じるのは、女優アリアナ・グリーンブラット。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では子供時代のガモーラ役を演じていた。
状況を呑み込めないアソーカの周囲を、フェーズⅠのヘルメットをかぶったクローン・トルーパーが走っていく。煙が立ちこめてはっきりは見えないが、AT-TEウォーカーやLAATガンシップの姿も確認できる。まさに「クローン・ウォーズ」のアニメの世界で見てきた光景が突如として実写で広がったのだ。実写では初登場となるキャプテン・レックスの姿も見ることができる。

ライロス解放戦
戦場だけでなく、戦いの後も描写された。アソーカは負傷したトルーパーに手を置いて涙を流し、アナキンに対して「大勢失った」「(トルーパーたちは)皆、私の命令に従って死んだ」と話す。
この戦いは“初期の任務”でありトワイレック種族の民兵がいることから、「クローン・ウォーズ」シーズン1第19~21話で描かれたライロス解放戦だと考えられる。作品内で2人は全編を通じて宇宙、上空での戦闘のみ参加するが、アソーカの記憶にあるということは地上戦にも参加していたということだろう。
アニメ第19話「ライロスの嵐」は、アソーカの成長にとって大切なエピソードである。同話でアソーカは初めて1人で部隊を率いた結果、自らの過信で部隊を壊滅させるという経験をした。指揮の責任と失敗の代償を学んだ戦闘であることが、“訓練”の舞台として選ばれた訳であろう。アソーカは戦場を歩む師の姿にダース・ベイダーを見る。
マンダロア包囲戦
場面が移ると、アソーカはマンダロア包囲戦の真っただ中にいた。「クローン・ウォーズ」シーズン7第9、10話が該当するこの戦闘はクローン大戦の末期の話である。敵のマンダロリアンらを斬り倒したアソーカがたたずんでいると、アナキンが姿を現す。戦士としての訓練が実ったと満足げに話すが、アソーカは“死と戦争”を受け継いだとこぼす。前話でベイラン・スコールに指摘された点だ。
再び「生きるか、死ぬか」という問いを投げ掛けるアナキンに対し、アソーカは答えることを拒否する。すると、今度はシスの黄色い目を光らせながら、赤いライトセーバーを手にアナキンが襲いかかってきた。四肢を失う前の全盛期“ダース・ベイダー”の状態である。場所は“世界の狭間の世界”に戻ったが戦いは続き、セーバーを落としたアソーカはピンチに陥った。しかしアナキンの一撃をかわすとセーバーを奪い「私は生きる道を選ぶ」と答える。アナキンは元の姿に戻り「まだ望みはある」とだけ言い残し、姿を消すのであった。

目を開けるとシートスの海に沈んでいたアソーカ。新共和国のパイロットたちに救出され、現実の世界に戻ることができた。サビーヌの不在を知ると、遺跡をフォースで感じ取り、彼女が自分の意志でベイランに同行したことを知る。だがヘラには「連れ去られた」とだけ話した。

“復活”したアソーカは、以前のグレーではなく白いローブをまとっている。これは映画『ロード・オブ・ザ・リング』で同じように使命を負って復活を遂げた魔法使いガンダルフのオマージュだ。アソーカを演じるロザリオ・ドーソンも、アソーカの物語の参考として“灰色のガンダルフ”から“白のガンダルフ”への変貌の話をフィローニとしていたことを、米Entertainment Weeklyのインタビューで語っている。
フィローニもかねてからガンダルフとの関連性を示唆してきた。
Was thinking of all of you this fine morning, Happy Holidays!
– Dave pic.twitter.com/WpD0kKMbfk— Dave Filoni (@dave_filoni) December 25, 2019
さて、パーギルの力を借りて銀河間を渡ることとしたアソーカ。エズラ・ブリッジャーと同じ方法を取ることとなったが、その先にエズラは、スローン大提督はいるのだろうか……。
「アソーカ」はディズニープラスにて独占配信中。
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