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【解説】実写版『アラジン』監督にガイ・リッチーが異例の抜擢?スタイリッシュ・アクションの名手、ディズニー映画に挑戦か

ポイントは「リバイバル」&「音楽」

『アラジン』にガイ・リッチー、という人選を考える上で注目したいのは、彼が2009年以降に手がけた映画が、すべてある種の“リバイバル作品”だったことである。『シャーロック・ホームズ』シリーズはご存知コナン・ドイルの推理小説が原作だし、『コードネームU.N.C.L.E.』は1960年代のテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイクだった。来年公開の新作『キング・アーサー/レジェンド・オブ・ソード(原題)』はタイトルの通りアーサー王の伝説を下敷きとしたストーリーだ。

そしてリッチーは、これらの作品で見事な成果を収めてきた。原作を活かしながら、自身のセンスや得意分野であるスタイリッシュ・アクションの要素を巧みに取り込み、しかもファミリー層にも訴求しうる間口の広さを兼ね備えることに成功しているのだ。新作『キング・アーサー』は自身初の史劇だが、予告編でもその映像感覚は冴え渡っている。またストーリーの性質上、『キング・アーサー』は、リッチーの作品で最も『アラジン』に近い作風だろう。ディズニーは『キング・アーサー』を踏まえてリッチーとの交渉に臨んでいるに違いない。

そしてもう一点気をつけたいのは、リッチーの音楽を扱う手さばきだ。もともとミュージック・ビデオを製作していたためか、『ロック・ストック~』から現在に至るまで、リッチーは劇中歌や音楽の扱いにきわめて長けている。そしてそのセンスこそが、彼の作品を「ポップ」「クール」「スタイリッシュ」と呼ばせてきた大きな理由だろう。『アラジン』というミュージカル要素を強くもつ作品だからこそ、リッチーの音楽センスが求められた可能性は高い

こうしてみると、一見「異例」に思われるリッチーの抜擢は、じつは非常に真っ当なのかもしれない。もしリッチーが『アラジン』を監督すれば、きっとアニメの世界観を活かしながらも、スピード感あふれるスタイリッシュな冒険劇に仕上げてくれるのではないだろうか。強い作家性を持つガイ・リッチーによる実写版『アラジン』、ぜひとも実現してほしいものである。

source: http://www.hollywoodreporter.com/heat-vision/disneys-live-action-aladdin-enlists-936881

©Disney

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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