『アメスパ3』が突如Twitterでトレンド入り、一体なぜ?

アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン3』が製作されるらしい……。そんな風説が2022年9月28日(日本時間)、Twitterを中心に突如として浮上した。日本のTwitterでも、「アメスパ3」のキーワードがトレンド入りするほどの話題となっている。

水を差すようでなんだか恐縮だが、これは何の事実にも基づかない誤情報だ。
事の発端は、米ソニー公式が投稿した以下のツイートである。
can you see it 🧐
which movie poster are we zooming in on? pic.twitter.com/Ww7bYwjkRZ
— Sony (@Sony) September 27, 2022
これは、米ソニーが『アメイジング・スパイダーマン』第1作(2012)のポスターの一部を用いて、作品当てクイズとして投稿したものに過ぎない。添えられたコメントは、「わかるかな。どの映画ポスターをズームしているでしょう?」というものだ。
ところが、同時期にライアン・レイノルズが『デッドプール3』の公開告知を行った事でお祭り騒ぎになっていたところ、「ソニーも『アメスパ3』を示唆しているのでは」との深読みする声が現れ始めた。『デッドプール3』の告知にはヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役を再演するとのサプライズもあり、同作のシンボルマークに「Ⅲ」の形の引っ掻き傷が刻まれる演出がなされた。奇しくも、米ソニーのツイートに用いられた『アメスパ』のポスターにも、同作ヴィランのリザードによる引っ掻き傷があるのだ。
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共に引っ掻き傷のある『デッドプール3』と『アメスパ』が同時期に投稿されたのは、おそらく偶然でしかないだろう。ちなみに、これらの投稿時間は米ソニーの方が2時間早い。ソニーとて、まさか何気ないクイズ投稿の直後に『デッドプール3』が告知されるとは思わなかったはずだ。
そもそも、この度の投稿がなされた「ソニー」と、『スパイダーマン』シリーズの映画の製作や配給を行う「ソニー・ピクチャーズ」は別会社であるということは改めて認識しておこう。ソニー・ピクチャーズ本国のアカウントは @SonyPictures で、最新映画に関するアナウンスはこちらのアカウントで行われる。また、『スパイダーマン』シリーズの公式アカウントは @SpiderManMovie だ。
米ソニーのアカウントがこのようなカジュアルな投稿をするのは平常運転だ。以前にも同アカウントは、『アメスパ3』製作を求むハッシュタグ「#MakeTASM3」が英語圏でトレンド入りした際、「ハッシュタグは見ていますよ」と反応しながら、「私たちには、どの映画を製作するか決定権はありません。単なるソーシャルメディアの担当なので」と丁寧に説明していたことがある。その後日には、今度はライミ版『スパイダーマン3』製作を期待する投稿に対して「これは本日の話題としては楽しいですね。軽くリマインドしておきますが、私たちは単なるソーシャルメディアのチームです!」とリプライしている。
一連の流れからわかるように、この度の米ソニーによる投稿も、同社ソーシャルメディアチームによる純粋なるポスター当てクイズだったに過ぎないのだろう。スパイダーマンのスーツやクモのエンブレムは作品毎によって微妙にデザインが異なるので、胸元のエンブレムだけを見てどの映画かを当てられるか、というファン向けの意図があったのかもしれない。
『アメスパ』を愛するがあまり、ウッカリぬか喜びしてしまって何だか自分がしょぼく感じるって?君はしょぼくないぞ。自分を卑下しない方がいい。君はアメイジングだ!