『アベンジャーズ/エンドゲーム』感動の全員集合シーン、別バージョンが存在 ─ 撮影するも「思ったほどうまくいかなかった」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の伝説的作品『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)には、さまざまな逸話がある。アイアンマン/トニー・スタークによる象徴的な台詞が、実は再撮影の段階で急遽追加されたものだった、というエピソードはそのうちのひとつ。ほかにも製作段階において、製作チームはさまざまな試行錯誤を繰り返していたようだ。
この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。

「ロキ」シーズン2のダン・デリーウ監督が米Comicbook.comにて明かしたのは、あの“全員集合シーン”に別の構想があったという事実だ。数々のMCU作品に特殊効果スーパーバイザーとして参加してきたデリーウは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』ではセカンド・ユニット・ディレクターを兼任。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で消滅したメンバーを呼び戻すにあたり、複数のアイデアがあったことを語っている。
「俳優全員が集まった日の撮影では、あの(全員集合の)カットに別のバージョンがありました。俳優たちを横切る形の、長いパンショット(※水平移動のショット)だったのです。全員がそこにいる、大規模で贅沢な場面ではありましたが、それが思ったほどうまくいきませんでした。」
そこでデリーウらは、編集者のジェフ・フォードやプリビズ(映像コンテ)のチームと話し合い、「ポータルを活かし、誰が、いつ登場するかを決める」という方法を決定した。最初に登場するのはブラックパンサー/ティ・チャラのチーム、次に登場するのは惑星タイタンで消滅したガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとドクター・ストレンジ、そしてスパイダーマン……。
「もともと、誰が生き残り、いつ戻ってくるかは分かっていました。けれどもスピードを落とし、観客がヒーローたちの帰還を迎える時間を用意する必要があったんです。“タイタンから最初に戻ってくるのは? よし、ガーディアンズを出して、後からスター・ロードを見せよう”といったふうに考えるのは面白かったですよ。“スパイダーマンは最後じゃないとね、だってスパイダーマンだから”とか。感動的なシーンになるよう、とても丁寧に作り上げられたんです。公開された週末、ファンの皆さんから素晴らしい反応があって本当に嬉しかったですね。」
ハリウッドのスター俳優たちを一度セットに集めながら、その出来栄えを慎重に検討し、問題があれば全面的に作り直すというアプローチは、ポストプロダクション(撮影後作業)におけるスクラップ&ビルドを重視するマーベル・スタジオならでは。『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、作品のクリエイティブ面でそのメリットが最も強く出たと言うことができそうだ。
なお『アベンジャーズ/エンドゲーム』以降、MCUでは大規模なチームアップ映画が製作されていない。次に『アベンジャーズ』をタイトルに冠するのは、次なる集大成と目される、2026年公開予定の『アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)』だ。今度の“全員集合”は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の感動をどのように超えてくれるのか。
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Source: Comicbook.com