【ネタバレ】『アントマン&ワスプ』ポストクレジットシーン解説&制作秘話

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品の“お約束”といえば、エンドクレジットの後までお楽しみがぎっしり詰まった「ポストクレジットシーン」の存在だ。映画『アントマン&ワスプ』(2018)もむろんその例外ではない。
本記事では、『アントマン&ワスプ』を締めくくり、そして今後のMCUへとバトンを渡す、そんなポストクレジットシーンの解説とともに、ペイトン・リード監督による制作秘話をあわせてご紹介していく。
この記事には、映画『アントマン&ワスプ』のネタバレが含まれています。
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『アントマン&ワスプ』ポストクレジットシーンに迫る
『アントマン&ワスプ』では、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)ののち、主人公スコット・ラングが自宅軟禁を受けている、その“最後の数日間”が描かれる。父親としての平和な日常を賭けながら、スコットはハンク・ピム博士の妻であり、そしてホープ・ヴァン・ダイン/ワスプの母親であるジャネットを量子世界から救出するミッションに臨むのだ。
闇社会の商人ソニー・バーチや、ハンク博士への恨みと文字通り“身体が引き裂かれるような”痛みに苦しむエイヴァ・スター/ゴーストの妨害を受けながらも、スコットとホープ、ハンク博士はジャネットの救出に成功する。
本作のポストクレジットシーンは、エイヴァを治療するエネルギーを採取するため、スコットが再び量子世界へとダイブする場面だ。ハンク博士の開発した「量子トンネル」がルイスの車に積まれており、ホープやハンク博士、ジャネットのサポートによって、スコットは無事に量子世界に飛び込む。しかしスコットと3人の通信は突如として途切れる。ビルの屋上では、3人が立っていたはずの場所に塵が舞い、ハンク博士の握っていた通信機が機械からだらりとぶら下がっていた。こうして“誰もいなくなった”あと、スコットの自宅では、主人の代わりに一匹のアリがドラムを叩いている……。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)以前を描いた『アントマン&ワスプ』の時系列は、このポストクレジットシーンによって、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラストとぴったり一致することになる。
同作の結末では、サノスが6つのインフィニティ・ストーンを手中に収め、指を鳴らして全宇宙の生命を半分に減らしてしまうのだ。ヒーローたちは次々と塵のように消えていく。ワカンダや惑星タイタンから遠く離れたサンフランシスコでも、ホープとハンク博士、ジャネットがその犠牲となったのである。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』との繋がり
軽快なコメディタッチが全編を貫いた『アントマン&ワスプ』は、こうして映画の幕切れにおいて『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と同じ衝撃を観客にもたらす。
ペイトン・リード監督は、このポストクレジットシーンを製作の初期段階で思いつき、もちろん自ら演出を担当したことを明かした。本編の“その後”が始まったかと思いきや、突然に事件が起こる展開について、監督は「『インフィニティ・ウォー』の壮大でドラマティックな結末を扱うには、これが『アントマン&ワスプ』らしい方法だと思ったんです」と話している。また「観客をぶん殴るようなものですよね」とも……。
「この映画は(スコットの)自宅軟禁の最後の3日間が舞台となっています。それがサノスの事件の何日前なのかはハッキリしないんですが。(映画のラストで)ハンクとジャネットは離島に行って、海辺の家でほんの少しだけ過ごしたあと、戻ってきて量子実験をやっていたんだと思います。[中略]だから(“指パッチン”までの期間は)そう長くないですよ。彼らは自分の世界で自分のことをしていて、(マーベル・ユニバースで)起こっている出来事にはまったく気づいていませんしね。」
監督によれば、ポストクレジットシーンの内容には複数のアイデアがあったとのこと。ビル・フォスターとエイヴァ・スター/ゴーストが登場する案、ルイスが登場する案などが検討されていたものの、結局は「誰を登場させるかが大きな問題だった」という。
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