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【ネタバレ】『アントマン&ワスプ』学校シーンは「一番複雑な撮影だった」 ― アイデア誕生のきっかけは

アントマン&ワスプ
(c) MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

マーベル・シネマティック・ユニバースの第20作『アントマン&ワスプ』(2018)は、前作『アントマン』(2015)に続き、名前の通りアリのように小さくなれる“史上最小ヒーロー”の冒険を描く物語だ。ゆえに本作には、その特徴をフルに活かした、視覚的に楽しいシーンがたくさん用意されている。

なかでも印象的なのは、スコット・ラング/アントマンとホープ・ヴァン・ダイン/ワスプが、“ある目的”のために学校へ潜入するシーンだろう。しかし、そこでスコットは思わぬトラブルに見舞われて……。

注意

この記事には、映画『アントマン&ワスプ』のネタバレが含まれています。

アントマン&ワスプ
MARVEL/PLANET PHOTOS 写真:ゼータ イメージ

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スコット・ラング、大きくなったり小さくなったり

『アントマン&ワスプ』で、スコットはハンク・ピム博士の開発した新スーツを着用して活躍する。しかし物語の途中、スコットやホープらは、こっそりスコットが隠し持っていた旧式のスーツを必要とすることに。スコットがスーツを小さくして隠していたトロフィーは、娘キャシーが学校へ持っていってしまった。そこで二人は小さくなって学校へ潜入するが、残念ながらスコットの着ていた新スーツはまだまだ開発中。誤作動によってスコットは大きくなったり小さくなったり、最終的にはなんだか微妙なサイズになってしまうのだ……。

Comicbook.comのインタビューにて、スコット役のポール・ラッドは、このシーンの撮影が「全編で一番複雑だった」と話している。同じ画面に登場するホープ役のエヴァンジェリンとは別々に撮影を行っていたというのだ。

「僕たちは別々に撮影しなきゃいけなかったんです。それからどうにかして技術的に合成してもらう必要がありました。僕にはわからないことなんですが、照明や画角、ほかにもいろいろありますから。エヴァンジェリンが学校で撮影して、それから僕がグリーン・スクリーンで撮りました。僕も学校にいたんですよ。(撮影する)ショットに入らなきゃいけなかったんです、シーンを作ってもらえるように。どうやって完成させたのかはわかりませんが、すごく時間がかかったと聞いています。」

おそらく学校のシーンは、観客の想像を絶するほど複雑な合成作業が要求されたのだろう。完成したシーンを見たポールは大興奮したそうで、「撮影しながら“どんなふうになるんだろう”とは想像しましたけど、これは変な感じでしたね」と話している。

ちなみに『アントマン&ワスプ』では、この“スコットのスーツが誤作動を起こす”という仕掛けは全編にわたって展開のカギを握っている。英Empireのポッドキャストにて、ペイトン・リード監督は、このアイデアを着想したきっかけを明かしていた。

「前作で(アントマンが)小さくなるのは十分やっちゃったな、と思って。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)ではジャイアント・マンもたっぷり出てきましたしね。じゃあ今回はどうやって違うことをやろうか?ということで、“ピム粒子の技術を人間だけじゃなくて乗り物や建物にも使おう、どんどんやっちゃえ”という話になりました。そういうことをスコットにもやったわけです。
前作以来、ハンクとホープは量子トンネルで頭がいっぱいになっているので、たぶんアントマンの技術は後回しになっているんじゃないかと思いました。なので、ハンクはアントマンの新スーツを開発してはいるけれども、今のところ着る人はいない。スーツを初めて着た時に、“まだ開発中だ”と言わせたくて。」

前作『アントマン』のみならず『シビル・ウォー』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)といった複数の作品と関係する『アントマン&ワスプ』を制作するうえで、ペイトン監督は、どの作品ともきちんと差別化する方法を模索していったようだ。アントマンのスーツが誤作動を起こすのも、キャプテン・アメリカのカメオ登場が見送られたのも、すべてはそうした思考の結果たどりついた答えだったのである。

映画『アントマン&ワスプ』は2018年8月31日(金)より全国ロードショー

『アントマン&ワスプ』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/antman-wasp.html

Sources: Comicbook.com, Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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