『スーサイド・スクワッド』エアー・カット公開、「一度限りのお葬式上映会でもいい」と監督

2016年のDC映画『スーサイド・スクワッド』を手がけたデヴィッド・エアー監督が、自身の意図したディレクターズ・カット版(通称「エアー・カット」)のリリースになおも意欲的だ。米Varietyの取材にて、「一度限りの上映会でもいい」と熱を込めた。
マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインの初登場作である『スーサイド・スクワッド』は、ウィル・スミス演じるデッドショットなど強烈なヴィラン・チームが危険な任務に挑む物語。キャラクターは絶大な人気を博したが、スタジオの介入を受け、エアー監督の意図は形にならなかった。ほぼ完成していたというエアー・カットは、同じくDC映画『ジャスティス・リーグ』をザック・スナイダー監督の意向に基づき蘇らせた『ザック・スナイダーカット』の実現後、ファンの間でもお披露目が待ち望まれている。
2023年8月、自らのXアカウントにて「僕が知っているのは、自分の未公開版のほうが劇場公開版よりもずっと良い作品だということだけ」と記したエアー監督。今回の取材でも、「僕は最高の映画、素晴らしい映画を作りました。はっきりと言えることだから、異論がある人は僕の目を見に来てほしい。自分が愛情を注ぎ、心を込めたものが、奪われ、作り直されてしまったんです」と話した。「自分のキャリアで最もつらい出来事だった」と。
「新しい映画を公開するたび、(『スーサイド・スクワッド』への批判が)また始まる。自分がやっていないことで攻撃されるんです。本当に不公平なことですが、今では理解しました。結局はアメリカの企業であり、企業の知的財産(IP)なんですよ。数十億ドル規模の企業なんだ。それでも、フィルムメイカーの心をずたずたに傷つけるようなことは本当に不当だと思います。」
DCユニバースの新体制では、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)を手がけたジェームズ・ガン監督が指揮を執る。8月、エアー監督は同じくXアカウントで「ガンは“(エアー・カットが)公開される時が来るでしょう”と言ってくれた」とも書き、12月には「いつか公開されると思う。僕は希望を持つつもりです」「何かが起こります。何かが明かされますよ。真実はいつも明かされる」と話していた。
ところが今、エアー監督の言葉は、心なしか以前よりトーンダウンしているようにも思われる。
「“最後の儀式”のような上映会をやりたいですね。お葬式のように、キャストとスタッフを集めて、みんなで実際に作ったものを見せるだけでもいい。それが誰にとってもフェアなことだと思うから。」
その後、エアー・カットをめぐる状況がどうなったのかはわからない。なんらかの進展があったのかもしれないし、停滞が続いているのかもしれないが、それは外部からは窺い知れないものだ。デヴィッド・エアーが本来構想した『スーサイド・スクワッド』を観られる日は来るのかどうか。
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Source: Variety