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【徹底解説】マーベル映画『ブラックパンサー』本予告編、米国で公開!気になる要素から使用楽曲まで総チェック!

©MARVEL STUDIOS 写真:ゼータ イメージ

2018年公開の映画『ブラックパンサー』の本予告編&ポスタービジュアルが米国にて公開された。
おなじみマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新シリーズである本作は、集大成となる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を直後に控えた一本。これまでのMCU作品とは明らかに異なるテイストに驚かされた人も少なくないことだろう。

本記事では、未だ謎多く、気になるポイントがたくさん詰まった『ブラックパンサー』の本予告編から、その要素の数々を細やかに紐解いていく。

知られざる国、ワカンダ

「神が空を飛ぶのを見た。信じられないような武器を男が作るのを見た。エイリアンが空から降ってくるのも見た。しかしこんなものは見たことがない。まだいろんなものを隠しているのか?」

2017年6月に公開されたティザー・トレーラーと同じく、今回の予告編でも開幕を告げるのは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)にて初登場したエヴェレット・K・ロス(マーティン・フリーマン)だ。ソーやトニー・スターク/アイアンマン、『アベンジャーズ』(2012)を踏まえながら、『ブラックパンサー』の主人公であるティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)にさらなる未知を尋ねるのである。ティザー・トレーラーでロスがユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)を尋問していたのと同じ場所だと思われる。

ワカンダ王国の大自然、部族の長たる座に文字通り腰かける男=M’Baku(ウィンストン・デューク)、そして『シビル・ウォー』でも印象的に映し出された豹の石像。さらに場面は変わって、都市が外界から姿を隠すためのカムフラージュを戦闘機が通り抜けていく。飛行船に乗っているのは、ティ・チャラ/ブラックパンサーの親衛隊「ドーラ・ミラージュ」のリーダーであるオコイエ(ダナイ・グリラ)だ。

人々の暮らしているワカンダの街(コミックで描かれる首都バーニン・ザナだと思われる)には、バスのような乗り物が走り、モノレールが通り、そして民族的な趣のある店が立ち並んでいる。コミックで首都バーニン・ザナは「ゴールデン・シティ」と呼ばれる王家の“お膝元”だ。そして飛行船から降りてくるティ・チャラたちを、ドーラ・ミラージュの面々が出迎える。

若き国王、ティ・チャラの苦悩と戦い

ティ・チャラの初登場作品となった『シビル・ウォー』で、ワカンダ王国は当時の国王ティ・チャカを失う。『ブラックパンサー』はそののちの物語で、亡き父の後をティ・チャラが継ぐことになるのだ。本作でティ・チャラは、国外から訪れる脅威や、王座を狙う国内の勢力とも対峙しなければならないという。

予告編の0:39頃で、故郷に戻ってきたティ・チャラに「我が息子よ、あなたの番です」と声をかけるのは母親であるラモンダ(アンジェラ・バレット)。つづいて0:44頃に登場し、「どんな王になるのかはあなたが決められる」と話すのは、親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の一員であり、本作のヒロイン的なポジションを務めることになりそうなナキア(ルピタ・ニョンゴ)だ。

さらに0:48頃でティ・チャラが親しげに再会を喜ぶのは、妹にしてトニー・スタークに匹敵するという天才科学者のシュリ(レティーシャ・ライト)である。ティザー・トレーラーでは自身も武器を装着して戦っていたが、彼女がブラックパンサーのスーツを開発しているようだ。その原料となるのは、ワカンダで産出される特殊金属ヴィブラニウムである。どうやらスーツは『シビル・ウォー』よりもアップデートして登場することになりそうだ。

「怖がらないで」「怖がったことなんてない」というやり取りのあと、ティ・チャラ/ブラックパンサーは高所から落下し、地上を走る車に狙いを定める。ここからはティザー・トレーラーにも存在した、ヴィランであるエリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)が捕らえられたユリシーズ・クロウを救出するらしいくだりや、韓国・ソウルでのカーチェイス、そしてワカンダでの戦闘が次々に映し出されていく。

今回の予告編で注目したいポイントは、1:12頃に登場する神秘的な木だ。その上には複数の黒豹がいるようだが、そもそもこの場所は現実なのか、それとも……。すでにファンの間では、この木がコミックに登場する“ワカンダのあらゆる記憶の集合”であるドジャリア(Djalia)ではないか、数多くの先祖が眠っている墓地なのではないか、という予想がなされている。ちなみにコミックで、ドジャリアという場所とティ・チャラの妹シュリには深い関係があるようだが……。ライアン・クーグラー監督は『ブラックパンサー』でスピリチュアルな要素を重要視したようなので、これが作品のカギを握る場面であることは間違いないだろう。

ちなみに、あるTwitterユーザーはこの場面が『ライオン・キング』のオマージュではないかと指摘している。これが自らの父や先祖に関係するシーンだとすれば、その指摘はもしや当たっているかもしれない……?

悪役たちの暗躍

カーチェイスのあと、燃え上がる遺跡のような場所に立っているのはエリック・キルモンガーだ。「このためにずっと待っていたんだ。もう一度世界をやり直そう、すべて燃やしてやる!」と宣言する彼には、一体どんな過去があり、そして何を目論んでいるのか……。コミックではティ・チャカ先王への恨みを抱いており、アメリカからワカンダへと復讐のため戻ってくるキャラクターなのだが、その設定がどこまで使用されているのかはわからない。

エリックは博物館らしき場所でユリシーズ・クロウと並び、ワカンダでドーラ・ミラージュやW’Kabi(ダニエル・カルーヤ)と共に立ち、ついに面々と対峙した際には一瞬でスーツを身にまとってジャガーのような姿へと変貌する。しかしこのスーツは自ら編み出したものなのか、あるいはナキアのもとから奪ったものなのだろうか? ちなみにティ・チャラの「今起きていることが、外の世界で起こることを決めるんだ」というセリフにも注目すべきだろう。

さらにワカンダと思しき場所にて、モノレールの駆け抜ける横でブラックパンサー&エリックが格闘し、戦闘機がドッグファイトを繰り広げ、うち一機は水面へと墜落。ナキアがカジノで戦いを繰り広げる場面や、直前と同様にブラックパンサー&エリックが高所で戦う場面も収められている。
そして最後には、カーチェイスの最中にクロウが「楽しもうぜ」と口にして、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で失われたはずの左腕から衝撃波を放つ。コミックでクロウが操っているソニック・ディスラプターは映画でもその威力を存分に発揮することになりそうだ。しかし車に追いついたブラックパンサーは、片腕だけでそのタイヤを破壊して……。

『ブラックパンサー』音楽にも注目!

『ブラックパンサー』のティザー・トレーラーでは、先日米マーベルとのコラボレーションも発表されたラン・ザ・ジュエルズによる楽曲「Legend Has It」が使用されていた。今回の予告編でも、ふたつのクールな楽曲が“これまでのMCUになかった”彩りと味わいを与えてくれている。

「ふたつ」と記したが、厳密には本予告編で使用されているのはふたつの楽曲がマッシュアップされたものだ。
1993年生まれのラッパー、ヴィンス・ステープルズによる2017年の最新曲「Bagpak」をベースにしながら、中盤からは“黒人吟遊詩人”ギル・スコット・ヘロンによる「The Revolution Will Not Be Televised(革命はテレビで放送されない)」のフレーズが入ってくる構成になっている。

残念ながら予告編で使用されているトラックは正式に発表されていないが、今後オリジナル・サウンドトラックなどに収録される可能性もあるだろう。この仕上がりに心震えた人は続報に期待しよう。

ところで今回の予告編には、おそらくキーパーソンになると思しきズリ(フォレスト・ウィテカー)が登場しなかった。さて、本編ではどんな役回りを担っているのだろうか……?

映画『ブラックパンサー』は2018年3月1日より全国ロードショー

[お詫び]
記事初出時、ティ・チャラの妹の人名を「ナキア」と記載しておりましたが、正しくは「シュリ」です。訂正するとともに、謹んでお詫び申し上げます。

Sources: http://www.cbr.com/black-panther-movie-trailer-2-analysis/
http://screenrant.com/black-panther-trailer-2-breakdown-all-hail-the-king/
http://screenrant.com/black-panther-trailer-song-music-revolution-televised/
©MARVEL STUDIOS 写真:ゼータ イメージ

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。