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『ブラック・ウィドウ』は「ナターシャにふさわしい結末」に ─ 『アベンジャーズ/エンドゲーム』へのアプローチ

ブラック・ウィドウ
(c)Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の単独映画ブラック・ウィドウは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)と『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のあいだに起こった“ナターシャ・ロマノフの知られざる物語”だ。同時に本作は、アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)でナターシャが下した決断の背景をも描くという。

Empireにて、監督のケイト・ショートランドは『エンドゲーム』におけるナターシャの物語に言及。『ブラック・ウィドウ』では、そこに“終わり”をもたらすことを示唆している。

この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK 写真:ゼータ イメージ

「彼女にふさわしい結末」へ

アベンジャーズの一員だったブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフの物語は、『エンドゲーム』でひとつの結末を迎えた。サノスを倒すべく、ナターシャはホークアイ/クリント・バートンとともにソウル・ストーンを求めて惑星ヴォーミアを訪れる。しかし、ソウル・ストーンを手にするには“愛するもの”を失わねばならない。サノスが愛娘ガモーラを崖から落としたのと同じく、ナターシャとクリントはそれぞれの命を投げ出そうとする。お互いを守るため2人は戦い、とうとうナターシャは、クリントを残して崖下へ落ちていった。

『エンドゲーム』は、同じくサノスを倒すために自身を犠牲にしたアイアンマン/トニー・スタークの葬儀で締めくくられた。しかし、ナターシャの葬儀が劇中で描かれることはなく、これにはファンの間で大きく反応が分かれたのである。『ブラック・ウィドウ』でナターシャの過去を描く仕事を引き受けたショートランド監督も、このことが気にかかっていたようだ。

「『エンドゲーム』ではナターシャのお葬式がなくて、ファンの方々が動揺していましたよね。けれども、スカーレット(・ヨハンソン)にその話をした時、彼女は“ナターシャは葬式を開いてほしくないんじゃないかな”と言っていました。彼女(ナターシャ)は本当に秘密が多く、人は彼女が何者なのかをよく知らないのです。」

スカーレットの解釈は、『エンドゲーム』の脚本家であるクリストファー・マルクスのものと一致する。マルクスはナターシャの葬儀を描かなかった理由を「ナターシャが常に影の世界を生きていたから」だと説明。「葬儀を描くことが、必ずしもキャラクターに誠実なこととは限らない」と述べたのである。

もっとも、こうした状況を受けて、ショートランド監督のアプローチはある意味明快だ。「この映画で私たちがやったのは、みなさんが抱えている悲しみを終わらせるということ」という彼女の言葉は、『エンドゲーム』で幕を閉じたナターシャの物語が、ファンにとってもきちんと終わることを予感させる。「人々が集まり、感情があふれ出すというようなものではありませんが、彼女にふさわしい結末だと思います」

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、かつて『ブラック・ウィドウ』について、“ここで描かれる物語が、のちにどれほど大きな影響を与えたのかを描きたかった”と語った。当時、「『ブラック・ウィドウ』を観ると、『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』で彼女の取った行動が新たな形で見えてくる」とさえ言っていたのである。

映画『ブラック・ウィドウ』は2020年11月6日(金)日米同時公開。

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Source: Empire

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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