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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』ブラック・ウィドウとホークアイ、なぜ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ならなかったのか ─ ルッソ監督と脚本家が経緯を明かす

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK 写真:ゼータ イメージ

「自ら犠牲を支払えるのか」

ナターシャが命を落とすか、それともクリントが死んでしまうのか。ナターシャの死を描いた理由を語っている監督と脚本家チームも、脚本段階では何度も試行錯誤が繰り返されていたという。しかし決め手となったのは、やはり「アベンジャーズというコミュニティのために、ナターシャが自ら犠牲を払える人間である」こと。米USA Todayにて、ジョー監督は「非常に辛いですが、それゆえ、これが彼女にはふさわしい結末なのだと思いました」と述べている。

アイアンマン2』(2010)からブラック・ウィドウを演じてきたスカーレット・ヨハンソンも、役柄の変遷について、以前このように語っていた

「『アベンジャーズ』や『ウィンター・ソルジャー』で、彼女は自覚のある女性になる機会を得られたように思います。“私、今までの人生で自分から何かを選択したことがなかったんだ”って。[中略](今では)女性としての本来の権利を手に入れている。“私は誰で、何がしたいんだろう?みんなとの関係や自分自身に、いったい何を求めてるんだろう?”と言えるし、自分の自尊心をきちんとわかっているんです。」

またジョー監督はEntertainment Weeklyにて、ナターシャの行動こそが本作のテーマを象徴するものであることも明言している。

「今回のテーマは、“自分の運命は変えられるのか、そのためにどんな犠牲を支払うのか、自ら犠牲を支払えるのか”。『インフィニティ・ウォー』で、(ヒーローは)命は差し出さずに守るものだと考えていたわけです。それが本作では、目的を達成するために犠牲を払おうとする。自然な成り行きだと思うんです。最初は全員を守ろうとしていたけれども、それが無理だと分かる。そして本物のヒーローが登場し、より大きな善のために自分を犠牲にするんです。」

ちなみに脚本家のマクフィーリーは、作業過程ではクリントが崖から落ちて死んでしまう展開も執筆したことを認めている。ところが脚本を読んだ女性スタッフたちは、「命を落とすのはクリントではなくナターシャであるべき」とコメントしたという。「ナターシャの決断をわざわざ台無しにすることはない、英雄的な行いはナターシャがするべきだと言われて。納得しましたね」。

描かれなかった葬儀

すべての戦いが終わったあとも、そこにナターシャの姿はない。“指パッチン”で生命を元に戻す際、ブルース・バナー/ハルクはナターシャを呼び戻そうとしたというが、やはりそれは叶わなかった。キャプテン・アメリカがソウル・ストーンをあるべき場所に戻しても、支払われた犠牲が帳消しになるわけではないようだ。中国・贵圈のインタビューでも、ジョー監督は「(ナターシャの命は)元に戻るものではありません」と言っている。

「たとえソウル・ストーンを元あった場所に戻しても、彼らは帰ってこない。実際のところ、ストーンを“返す”のではなく、“あるべきところに戻す”わけですから。ソウル・ストーンのために失われた魂は、その後もずっとそこに残り続ける。ですから、ブラック・ウィドウは永遠に死んでしまったままなんです。」

なお劇中において、トニー・スターク/アイアンマンの葬儀は描かれるが、ナターシャの葬儀は描かれない。ジョー監督は「おそらく彼女の葬儀も行われたのでしょうが、この映画では描かれていません。今後の映画に登場するのかもしれませんね」と述べ、脚本家の二人はThe New York Timesにて自身の思いを明かしている。

マルクス「トニーには葬儀のシーンがありますが、ナターシャにはありません。ある側面でいえば、それはトニーが極めて著名な人物だから、ナターシャが常に影の世界を生きていたからでもあります。葬儀を描くことが、必ずしもキャラクターにとって誠実なこととは限らないのです。」

マクフィーリー「みなさんが(ナターシャの死を)きちんと悲しむ時間がないことを心配していました。それが一番つらかった。(あの時点で)問題は解決されていないし、課題はたくさん残っている。だけど重要な女性をひとり失ってしまった。どうすればそのことに敬意を示せるのか。僕たちは男性の視点から、多くの男たちがひとりの女性の死を悲しむという切り口を選びました。」

なお今後のマーベル・シネマティック・ユニバースでは、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウを主人公とする単独映画(タイトル未定)の製作も予定されている。ナターシャは『エンドゲーム』でこの世を去ってしまったが、彼女にはまだ描かれざる物語があるようだ。そこでどんな一面が見られるのかを楽しみにしつつ、これまでの活躍に祈りを捧げたい。

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)より全国公開中

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

Sources: EW, The New York Times, USA Today贵圈, Fandango

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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