『ブラック・ウィドウ』で『アベンジャーズ/エンドゲーム』の見方が変わる ─ マーベル社長、新エピソードの重要性を強調

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「フェイズ4」の幕開けを飾る『ブラック・ウィドウ』は、どうやら私たちの予想を超えるほど野心的な作品になっているらしい。このたびマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、謎に包まれている物語の重要性を強調した。
この記事には、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレが含まれています。
『ブラック・ウィドウ』が変えるもの
ブラジル・サンパウロにて開催された「CCXP 2019」に登場したファイギ社長は、IGN Brazilの取材にて『ブラック・ウィドウ』実現の動機を明らかにしている。すべては『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』が公開された2015年ごろ、シリーズの次回作を検討する中で浮かび上がってきたというのだ。
「今から4年ほど前、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)と『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を同時に準備していた頃から、『エンドゲーム』では彼女(ナターシャ・ロマノフ)の物語をできるだけヒロイックな形で終わらせたいと思っていました。だけど同時に、まだ見ぬ彼女の人生の一部分を掘り下げたかったんです。『アベンジャーズ』で彼女の冒険を見てきているけれど、見たことも聞いたこともない、まだ知らない出来事が、映画の間でたくさん起きていただろうと考えました。」
ここでファイギ社長は、『エイジ・オブ・ウルトロン』当時からナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウの物語を“終わり”に向けて動かしていたことを明らかにしている。その一方でファイギ社長は、『ブラック・ウィドウ』を実現させた理由として「スカーレット・ヨハンソンと一緒に映画を作りたかった」とも語った。「彼女こそナターシャ・ロマノフ。だから若いブラック・ウィドウで映画一本分の物語を作ることはしませんでした」。
もっとも『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観たMCUファンは動揺しただろう。なぜなら、当時からブラック・ウィドウの単独映画が作られることは報じられていたからだ。“単独映画が作られるのだから、死ぬことはないはずだ”とファンの多くが思っていた中で、ナターシャはソウル・ストーンを手に入れるため、そして失った仲間を取り戻すため、自ら高い崖から身を投げたのである。今、ファイギ社長はこう述べている。
「見たこともない彼女の過去を描くこと、それから『シビル・ウォー』と『インフィニティ・ウォー』の間に起こった冒険が、いかに大きなインパクトをもたらしたかを描くことを考えました。ですから『ブラック・ウィドウ』を観ると、『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』で彼女の取った行動が、新たな形で見えてくることになります。」
アレクセイ/レッド・ガーディアン役のデヴィッド・ハーバーは、以前から『ブラック・ウィドウ』が『エンドゲーム』の背景を新たに書き加えることを示唆していた。しかしファイギ社長がここまで言い切るということは、ここには明らかな意図があるはずだ。終わったはずの「フェイズ3」を揺らがせるほどの大きな仕掛けが、「フェイズ4」の冒頭には用意されていることになる。
映画『ブラック・ウィドウ』は2020年5月1日(金)日米同時公開。
Source: IGN