『ブラック・ウィドウ』VFXアーティスト、劇中で最も大変だったシーンを明かす

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラック・ウィドウ』(2021)は派手なアクションが詰まった一作だったが、中でも特に表現が難しかったシーンについて、同作で特殊効果を担当したVFXアーティストが本音を語っている。
米Comicbook.comのインタビューに、Digital Domainで視覚効果スーパーバイザーを務めるデヴィッド・ホギンスと、Industrial Light&Magicの視覚効果スーパーバイザー、クレイグ・ハマックが登場。『ブラック・ウィドウ』劇中のどのエフェクトとシークエンスが難しかったか質問されて、こう回答している。
ホギンス:「ひとつを選ぶのは難しいですね。 スカイダイビングのシークエンスでしょうか。アニメーションのせいで、物理学的な見地においても、実際に起きているように見せることが非常に困難だったからです。そして、前のチームが私たちに本当にしっかりした、ほとんどショットごとのカットを渡してくれたので、私たちはほぼ、そのカットに(視覚効果を)一致させました。ですがカットが進むにつれ、わずかに物理的な性質が変わったんです。つまり、前(前のチームが制作したカット)と同じ精神を捉えようとするのですが、私たちが視覚効果を加えるシーンは照明や視覚のキューなどがあるので、それらを全て機能させて同じような感じにしました。」
ホギンスが言っているスカイダイビングのシークエンスとは、映画のクライマックスでブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフが、崩壊しつつある空中基地から落下しながら敵と戦うシーンのことだ。
続けてハマックが、ロシアのスパイ機関“レッドルーム”のシーンの視覚効果についても説明している。
「そのシークエンスでチャレンジを要したのは過度に技術的なことではなく、起こっていること全てにおいてバランスを保つことです。そして、赤いプロジェクションを投影させる必要がある部屋全体には、ある空気と微粒子が漂っていました。よって、部屋の奥行きと戦いのアクションを理解する必要があったんです。全てのカットがこの理解をもって芸術的な試みとなり、ストーリーを理解し、誰が誰と戦っているのかを把握しなければなりませんでした。
そして、決して忘れることの出来ない美しいコレオグラフィーが続きます。ですから、まさにバランスを取ることが重要で、このような美しいイメージをスクリーンで見せることは、非常に満足のいく仕事になりました。」
映画には、まさにカットごとにVFXアーティストや大勢のスタッフの心血が注がれている。映像では実際に目にできない彼らの汗と努力にも思いを馳せながら、作品を楽しみたいものだ。
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