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【ネタバレ考察】『ブラック・ウィドウ』ラストシーンが示唆するMCUの今後 ─ ◯◯◯◯は敵か味方か

ブラック・ウィドウ
(c)Marvel Studios 2021

この記事には、『ブラック・ウィドウ』のネタバレが含まれています。

ブラック・ウィドウ
(c)Marvel Studios 2021

『ブラック・ウィドウ』は、アベンジャーズの分裂が焦点となった『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』直後を舞台に、政府から追われる身となったナターシャのその後の歩みが描かれた。かつての因縁の相手ドレイコフが組織するレッドルームの暗殺者タスクマスターからも狙われることになったナターシャは、かつて共に暮らした妹分のエレーナやアレクセイ/レッド・ガーディアン、メリーナらと約20年ぶりに再会。実は死んでいなかったドレイコフの野望を再び阻止すべく、ナターシャは命を懸けた戦いに出ることとなった。

タスクマスターの猛追をかわしながら、黒幕ドレイコフを打ち負かしたナターシャ。物語は、家族の温かみを改めて実感したナターシャが、アベンジャーズを再び団結させるための旅に出発するところで幕を閉じた。

エンディングからは打って変わり、ポストクレジット・シーンでは、姉妹の絆を復活させたエレーナに焦点が当てられることになる。エレーナが向かった先は、辺り一帯が荒れ果てたナターシャの墓地。かつてレッド・ルームを崩壊させた後、ナターシャと額を突き合わせたように、エレーナは墓石に額をつけて、祈りの口笛を吹いた。

すると次の瞬間、エレーナの隣には謎の女性が立っていた。かねてより登場が噂されてきた謎の女性ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ、通称ヴァルだ。じつはヴァル、すでに「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2020)で登場している。ヴァルは、過ちを犯して政府から“2代目キャプテン・アメリカ”を解任された失意のジョン・ウォーカーを訪問。「あなたはある人々にとって大きな価値のある存在になった」とウォーカーに告げたヴァルは、再会を見越すかのように名刺を渡していた。

その後、再び姿を見せたヴァルは、ウォーカーに新しいスーツを与え、「USエージェント」に任命。緊急事態のときに「また連絡する」とだけ伝え、その場を去っていた。そのヴァルが『ブラック・ウィドウ』でエレーナの前に現れたことは、何を意味するのだろうか?

そもそも、この謎多きヴァルは原作コミックに登場するキャラクター。イタリアをルーツに世界各国を飛び回っていた彼女は、S.H.I.E.L.D.のエージェントとしてニック・フューリーと出会い、恋に落ちた。しかしのちに、ヴァルがロシアのスパイであり、実は「マダム・ヒドラ」と呼ばれるS.H.I.E.L.D.を操るヒドラのリーダーだったことが判明するのだ。MCUでは、「ダークなニック・フューリー的存在」として、今後のストーリーに波乱をもたらしていくことが分かっている

そんなヴァルが、ウォーカーを仲間に勧誘し、次にエレーナを訪れた。ポストクレジット・シーンの時系列は、ナターシャの死後だから、少なくとも『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のあと。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」でも『エンドゲーム』の半年後が描かれているため、どうやらヴァルはサノス亡き後の世界で、ある目的に向けた活動をひそかに続けているようだ。

ヴァルは、エレーナに「次のターゲットはこの人。彼のせいでお姉さんは死んだ」と伝えながら、タブレットを手渡す。そこには、ナターシャの旧友ホークアイが写し出されていた。ふたりはすでに既知の間柄にあるようだが、その関係性をハッキリと示すものは無い。とはいえ、“次のターゲット”というからには、エレーナはヴァルの下で暗殺活動のようなことをしていたのだろう。

このシーンから、エレーナの次なる標的がクリントになったことは明白だ。事実、エレーナは『エンドゲーム』後のクリントを描くMCUドラマ「ホークアイ(原題:Hawkeye」で再登場することが判明しているため、同作でポストクレジット・シーンの続きが展開されることになるだろう。

ここでポイントとなるのが、エレーナがどのような決断を下すのかということ。ナターシャの恩人であるクリントを殺害することは、亡き姉の遺志に反することになってしまう。コミックでは2代目ブラック・ウィドウとなるエレーナは、『ブラック・ウィドウ』を経て、次世代のヒーローとして世界を救う存在になるかと思われていたが、ポストクレジット・シーンがその流れをかき乱した。クリントを標的にするとなれば、アベンジャーズから見たエレーナは敵となる。

エレーナを演じたフローレンス・ピューは、ブラック・ウィドウを演じたスカーレット・ヨハンソンについて、「彼女の足跡を追っていきたい」と話していた。これがストーリーの流れを汲んだ上での発言なのだとすれば、エレーナは姉の遺志を継いで、アベンジャーズの仲間になりそうだが、その場合クリントを殺す選択は選ばないはずだ。

『エンドゲーム』でソウル・ストーンの入手に向かったナターシャとクリントは、どちらが命を犠牲にするかを決める際、ナターシャとエレーナがしたように互いの額を突き合わせていた。『ブラック・ウィドウ』を観た後では、ナターシャを介してクリントとエレーナの意思も通じ合っていることを象徴するシーンにも見えてくる。果たして、「ホークアイ」で対面することになるであろうクリントとエレーナは敵か、それとも味方か……。

『ブラック・ウィドウ』は2021年7月8日(木)映画館 & 7月9日(金)ディズニープラス プレミア アクセス公開。※プレミア アクセスは追加支払いが必要です。

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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