スティーブン・スピルバーグ監督のDC新作映画、企画の進捗が判明 ─ 「とても良い脚本ができている」

2018年4月、巨匠スティーブン・スピルバーグが初めてスーパーヒーロー・ジャンルに挑む、DC映画『ブラックホーク(原題:Blackhawk)』の製作がワーナー・ブラザースから発表された。しかし、その後の進捗状況はほとんど聞かれないまま。このたび、脚本のデヴィッド・コープが現状を明らかにした。
コミック「ブラックホーク」は第2次世界大戦下を舞台に、謎の男・ブラックホーク率いるパイロットの精鋭集団“ブラックホークス”を描くストーリー。彼らは枢軸国と戦い、スーパーヴィランとも対峙。初登場は1941年だが、時代に応じて描き直され、2011年にもコミックシリーズ「ブラックホークス(Blackhawks)」が刊行されている。映画化の発表時、スピルバーグはプロデューサーとして就任し、自ら監督を務める意向と報じられた。
脚本家のコープは『ジュラシック・パーク』(1993)シリーズや『宇宙戦争』(2005)などでスピルバーグとタッグを組んだ重鎮。2020年12月には脚本作業が進んでいることをInstagramにて示唆していたが、すでに脚本は完成しているようだ。米Colliderでは「とても良い脚本ができていて、誰もが満足しています」と述べている。
コープによると、映画版『ブラックホーク』の舞台は1941年~1942年ごろ。「とにかく良い映画を作ろう」という観点で脚本の開発を行ったため、『ジョーカー』(2019)や『ザ・バットマン』と同じく、DC映画ユニバースからは独立した作品になるという。ただし、ほかのヒーローとの合流にも否定的ではないようで、コープは「将来的に誰かと組ませたいということなら、タイムトラベルを使うのも問題にはならないと思う」と話した。
では、なぜ報道から約4年が経過した今でも企画の進捗が見られないのか? どうやら、理由はワーナー側の経営判断にあるようだ。「ワーナーの経営陣ががらりと変わったので、そちらが落ち着き、DCユニバースをどうしていくかが決まるのを待っているところ」だというのである。『ブラックホーク』の発表後、ワーナーはAT&Tに買収され、今年2022年にはAT&Tを離れてディスカバリーと経営統合する。コロナ禍の影響も大きい中、再び大きな変化を迎えるとあって、“判断待ち”の状況はしばらく続きそうだ。
そんな中、スピルバーグ本人は『ウエスト・サイド・ストーリー』を手がけ、現在は自伝的映画『The Fabelmans(原題)』が2022年11月に米国公開予定。さらに『ブリット』(1968)のフランク・ブリット警部補を描くオリジナル新作映画も進んでいるほか、2023年公開『インディ・ジョーンズ』第5作にも製作として携わっているという多忙の身だ。
コープは現在、『ブラックホーク』について「もちろん彼(スピルバーグ)が撮ることを望みますが、もし自分で撮らないとしたら、彼がプロデュースをして、誰か素晴らしい監督に撮ってほしい」と語った。「大好きな脚本なので実現してほしい。けれども2億ドルかかる映画になるでしょうから、実現させるのは大仕事ですね」。
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Source: Collider