『ブレードランナー 2049』音楽に『ダークナイト』『ダンケルク』のハンス・ジマーが参加 ― 作曲家3人体制でオリジナル版に挑む

2017年最大の話題作のひとつ、『ブレードランナー 2049』の音楽担当に、『ダークナイト』3部作や『ダンケルク』(2017年9月9日公開)で知られる作曲家ハンス・ジマーが参加していることがわかった。これはフランスのカルチャー・サイト「StudioCineLive」が、本作を手がけるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督へインタビューしたことで判明したものだ。
前作『ブレードランナー』(1982)で印象的なテーマ曲、劇伴音楽を手がけたのはギリシャの音楽家ヴァンゲリス(2002年、日韓共催FIFAワールドカップの公式アンセムが日本では有名だろうか)だった。しかしヴァンゲリスは続編に参加しておらず、本作には最新作『メッセージ』(2016)をはじめヴィルヌーヴ監督とのタッグを重ねる作曲家ヨハン・ヨハンソンが起用されていた。
今回ヴィルヌーヴ監督は、ヨハンソンに加えて、新たに作曲家2名を起用したことを明らかにしている。
「ベンジャミン・ウォルフィッシュとハンス・ジマーに、ヨハンを助けるべく加わってもらいました。(オリジナル版を手がけた)ヴァンゲリスの切り口を手に入れるのは難しいんです。ヨハンによる驚くべき趣の音楽はあるんですが、また別のものを求めました。そこでハンスが助けてくれているんです。」
ハンス・ジマーといえば、クリストファー・ノーラン監督作品をはじめ、数多くの映画でロック・テイストの劇伴音楽を作曲している人物だ。ヴァンゲリスとはまた持ち味が異なる印象だが、ドライかつクール、しかしインパクトのある音楽は『ブレードランナー 2049』でもきっと絶大なる効果を発揮することだろう。
またベンジャミン・ウォルフィッシュは、『ライト/オフ』(2016)や『ドリーム』(2017年9月29日公開)、そして『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年10月13日公開)など、ホラー映画をはじめさまざまなジャンルで音楽を手がける経歴をもつ俊英だ。この公開予定を見てわかるように、2017年秋はウォルフィッシュの音楽が日本の映画館を席巻することになりそうである。
ちなみにヴィルヌーヴ監督は、『ブレードランナー 2049』の製作にあたり、『ブレードランナー』でヴァンゲリスが観客に聴かせた音楽を非常に重要視しているようだ。映画情報サイト「コライダー」のインタビューで、かつて監督はこのように語っている。
「オリジナル版を傑作たらしめている要素はいくつかあって、そのひとつがヴァンゲリスの音楽なんです。とても独特で、僕にとっては圧倒的でしたね。すごく大切な存在で、『2049』ではオリジナル版の撮影技術と同じくらい、ヴァンゲリスの仕事にも直接影響を受けています。それこそ『ブレードランナー』のDNAのようなもので、僕たちはそのDNAに忠実になろうとしているんですよ」
35年前にヴァンゲリスが生み出した音楽に、3人の音楽家たちはいかに拮抗するのか……。それぞれ異なる視線と手つきで生み出される音楽のコラボレーションも、きっと本作の大きな見どころとなるに違いない。
映画『ブレードランナー 2049』は2017年10月27日より全国ロードショー。
Sources: http://entertainment.ie/cinema/news/Hans-Zimmer-is-working-on-the-Blade-Runner-2049-soundtrack/395845.htm
https://www.pressreader.com/france/studio-cin%C3%A9-live/20170628/282007557396521
http://collider.com/blade-runner-2049-score-hans-zimmer/