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『第9地区』ニール・ブロムカンプ監督、『バトルシップ』テイラー・キッチュとタッグ ─ 待望の新作はSFスリラー、2020年撮影開始へ

テイラー・キッチュ
Photo by Eva Rinaldi https://www.flickr.com/photos/evarinaldiphotography/6918009458

『第9地区』(2009)をはじめ、深みのあるテーマと革新的な表現で支持される映画監督ニール・ブロムカンプが、ファン待望の新作映画『インフェルノ(原題:Inferno)』の準備に入っていることがわかった。主演は『バトルシップ』(2012)『ローン・サバイバー』(2013)のテイラー・キッチュが務める。米The Hollywood Reporterなど複数のメディアが報じた。

これまで『第9地区』や『エリジウム』(2013)、『チャッピー』(2015)を手がけてきたブロムカンプ監督にとって、『インフェルノ』は長編映画4作目となる。『チャッピー』ののち、『エイリアン』シリーズの新作や、『ロボコップ』シリーズ最新作『ロボコップ・リターンズ(原題:RoboCop Returns)』に携わってきたが、どちらもスタジオ側の都合でプロジェクトを離脱してきた。2019年8月に『ロボコップ』を降板した際、監督は新作ホラー/スリラーの撮影に入っていることを明かしていたが、これは『インフェルノ』とは別の企画とみられる。

発表によると、『インフェルノ』は再び人間とエイリアンの曖昧な境界線を描く、「見た通りのものなど何もない、唯一無二のSFスリラー」になるとのこと。キッチュが演じる主人公の刑事は、ニューメキシコ州の砂漠で起こった“何の変哲もないように思われた殺人事件”を捜査する男。しかし事件の背後には、もっと大きなもの、地球外生命体かもしれない存在があった。やがて刑事は、目撃者を手段を選ばずに全員殺害する“人の形をした野獣”と対峙する。さらに事件の捜査が進む中、刑事の妻が拉致されて……。

「この宇宙について、知っていることの全てが彼に襲いかかってくる。そして、この宇宙に存在する別の生命との繋がりが明らかになる」。入り口はミステリだが、やはり『インフェルノ』は過去のブロムカンプ監督作品と同じく、正真正銘のSF映画となりそうだ。製作の発表にともない、監督は「カメラの後ろに立ち、『インフェルノ』を作れることを非常に楽しみにしています。テーマとコンセプトに満ちた作品で、心から惹きつけられました。撮影できることを幸運に思います」とのコメントを発表した。

プロデュースと出資を担当するのは、米AGC Studiosのスチュアート・フォード。近年は『沈黙 -サイレンス-』(2016)や『ハクソー・リッジ』(2016)、『セレニティー 平穏の海』(2019)などを手がけてきた人物で、ブロムカンプ監督を「過去10年にわたり、世界で最も革新的なSF映画のクリエイターであることを証明してきた」人材だと絶賛。「『インフェルノ』は新たな地平を切り開き、ニールの作品群をさらなる高みへ誘うものと確信しています」

映画『インフェルノ(原題:Inferno)』は2020年初旬より撮影される見込み。SF映画界の若き鬼才が、いよいよ新たな世界をひっさげて戻ってくる。

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Source: THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。