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『スター・ウォーズ』フィン役ジョン・ボイエガ、SNSでの嫌がらせに苦言 ― 「たとえ観客でも、丁寧に扱われる権利はない」

『パシフィック・リム:アップライジング』ジョン・ボイエガとスティーヴン・S・デナイト監督インタビュー
©THE RIVER

映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)でフィン役を演じているジョン・ボイエガが、現在SNSで問題視されているクリエイターや俳優への嫌がらせについて、はっきりと苦言を呈した。

ファンの間で賛否両論分かれた『最後のジェダイ』では、劇場公開直後から、SNSにおいてライアン・ジョンソン監督へのバッシングが相次いだ(殺害予告すらあったという)。またアジア系ヒロインのローズ・ティコを演じたケリー・マリー・トランに対しては差別発言や嫌がらせが日常的に続き、2018年6月、とうとうケリーは自身のInstagramを事実上閉鎖したのだ。

主にトランへの嫌がらせを受けてのものだろう、このたびボイエガはTwitterにて自身の見解を示している。

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

スター・ウォーズやキャラクターが好きじゃない皆さんには、出演者に嫌がらせをするという判断が何にもならないことを理解してほしい。あなたのアプローチが間違っていれば、丁寧に扱われる権利はありません。たとえチケット代を支払っていたとしても!
大多数のスター・ウォーズ・ファンの皆さんには、ご支援と、私たちの立場を考えてくださることに感謝します。非常に好ましい方法があることを理解してくださっていると思います!」

ちなみにボイエガと『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)でタッグを組んだスティーヴン・S・デナイト監督は、時を同じくしてアンチの攻撃に真っ向から反論していた。監督の「礼儀をわきまえろ」という言葉は、ボイエガの苦言に通じる部分があるだろう。また、ボイエガが“場合によってはチケット代を払った観客でも厳しく対応する”という姿勢を示し、デナイト監督が「嫌なら見るな」と記したことにも、観客とクリエイターの関係性を「お客様と作り手」として単純に受け止めないスタンスを共通点として見ることができる。

なおトランがSNSを去ったことについて、チューバッカ役のヨーナス・スオタモも「現在の文化に染みついている、敵対的で憎しみに満ちた言葉には乗らないこともできるのだと、私たちの全員が気づくことを願います。あなたから変化は始まるんです」コメント。ライアン・ジョンソン監督も「映画が好きでないことと、憎しみをもって女性にひどい嫌がらせをし、ソーシャルメディアから追い出すことが別物であることは誰にでもわかる」と記して、分別なき嫌がらせには断固とした態度を取っている。

SNSを通じて観客とクリエイターが容易にコミュニケーションが取れる時代にあって、ヘイトが横行する昨今の流れを汲み、クリエイター側が自らの意志を明確に打ち出す動きが活発化しつつあることがわかるだろう。今後、両者の関係性にさらなる変化が生じることもありうるのかもしれない。

Sources: John Boyega(1, 2), Joonas Suotamo

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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