マーベル『ブラックパンサー』は「トランプ大統領の支持者でも絶対楽しめる」 ― 出演者が断言、アフリカ諸国への「肥溜め」発言受けて

「ズバ抜けて政治的で、これがマーベル映画だということを思い出さなければいけないほど」
これはマーベル・シネマティック・ユニバース作品の最新作、映画『ブラックパンサー』を観た直後、あるレビュアーが公表した感想だ。本作はアフリカに存在する架空の王国・ワカンダを舞台に、若き国王ティ・チャラ/ブラックパンサーを主人公とした物語。プロデューサーのネイト・ムーア氏は、「アフリカ人とその外部の世界を描く時、政治の問題は本質的に存在する」と言い切っているのだ。

このたび英Yahoo! Moviesの取材に対して、エヴェレット・K・ロス役のマーティン・フリーマン、ユリシーズ・クロウ役のアンディ・サーキスが、本作をドナルド・トランプ米大統領の支持者にアピールした。
トランプ大統領といえば、2018年1月にアフリカ諸国やハイチ、エルサルバドルを「肥溜め(shithole)みたいな国」と呼んで激しい批判を受けていたが、『ブラックパンサー』のメッセージはトランプ大統領を支持する層にどう届くのか……。

『ブラックパンサー』は多様な観客にどう響くのか

「トランプに投票した人はすごくたくさんいて、彼らも映画を観るわけですもんね。映画を観るのは誰にでも認められるべき」と述べるのは、ドラマ『SHERLOCK/シャーロック』のワトソン役で知られるマーティン・フリーマンだ。あっけにとられる発言にも思われるが、これは明らかに人々の分断や差別に対するリアクションとしてのコメントだろう。

「(『ブラックパンサー』は)何か特定のものに迎合するべく、偏った作品ではないと思います。人間らしさ、という以外はね。大げさに聞こえすぎないように言いますが、これは人間についてのストーリーなんですよ。トランプに投票した方でも、観たら100%大好きになってもらえると信じてます。」

マーティンがとりわけ強調するのは、本作が「すごくよくできた物語」だということだ。

「彼ら(トランプ支持者)のためだけに作られてはいませんが、でも、誰かのためだけに作られた映画ではないと思うんです。黒人の観客のためだけでもない。とにかく皆さんに楽しんでもらうために作られてるんですよ。白人より黒人の方が、より多くのものを受け取るとは思いますが。」

一方、より直接的な言葉で本作の政治性を示唆するのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)以来の出演となるアンディ・サーキスだ。

「トランプの支持者は、きっと(国家間の)障壁や移民について議論するのが好きなのではないかと思います。ワカンダ王国を見ることは…違いますね、ワカンダの設定である孤立主義は、アメリカでこそ起こっていませんが、世界中の国々に存在するものなんです。誰もが同じ問題に向き合っているんですよ。こういう問いかけは、アメリカ合衆国だけのものではありません。」

さて、『ブラックパンサー』で紡がれるストーリーやテーマは日本の観客にどう届くことになるのだろうか。分断や差別の問題、あるいは国家や人種を超えた関係性についての議論は、アメリカだけでなく現在の日本でも非常に重要なものとなっているが……。ある意味で観る側が試される、そんな作品になっている可能性にも期待したいところだ。

映画『ブラックパンサー』は2018年3月1日より全国ロードショー

Source: https://www.yahoo.com/entertainment/black-panther-stars-trumps-america-will-get-latest-marvel-movie-160537983.html
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