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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はティ・チャラ息子視点の「ひと夏の親子物語」になるはずだったと判明

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
© 2022 MARVEL.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』はチャドウィック・ボーズマンの生前、父と息子の関係が中心の物語になる予定だったという。既報では、サノスの“指パッチン”によって5年間消失していたティ・チャラが、取り戻せない年月を嘆くものだったと伝えられていたが、その詳細がわかった。

クーグラー監督が米New York Timesに語ったところによれば、1作目『ブラックパンサー』(2018)が息子(=ティ・チャラ)の視点からの父子の物語だったのに対し、『ワカンダ・フォーエバー』では父になったティ・チャラの立場から、父子が語られる内容になるはずだった。

当初の案でティ・チャラは、息子の人生の5年間から自分が姿を消していた事実に直面することになっていた。映画のオープニングはアニメーションで、ティ・チャラ消失中に出産したナキアが息子トゥーサンに「父さんのことについて教えて?」と語りかけるもので、そこで観客は「息子トゥーサンは父がブラックパンサーであることを知らない」と気付く仕掛けが検討されていた。

「トゥーサンはティ・チャラに会ったことがなく、ナキアはハイチ人の男と再婚しているんです。そして現実世界に場面が切り替わり、“指パッチン”から全員が帰ってくる夜が描かれる。そこでティ・チャラが、初めて息子と会うのです。」

さらに場面は3年後に移り、ティ・チャラも子育てに参加している姿が描かれる。クーグラーは「本作のコードネームは“サマーブレイク”で、子どもが父親と過ごす一夏を描く内容でした」との初期構想を話す。「子が8歳になると、茂みに行って、そこで生きるための儀式に挑む。しかし、そこであることが起こって、ティ・チャラは我が子を連れて、世界を救うために行かなくてはならなくなる。そういう映画でした」。

チャドウィックの死後、本作はティ・チャラの妹シュリ(レティーシャ・ライト)を実質的な主人公に置き換え、大幅な書き直しを行った。完成版ではヴィブラニウムをめぐるワカンダとネイモア、アメリカの三つ巴の戦いが描かれたが、これは初期案から変わっていない。ただし、「ほとんどが子どもの視点でした」とクーグラーは語っている。

チャドウィックを送り出す性質も大きかった本作は、ダークでヘヴィな作風に仕上がっていた。息子トゥーサンが大人たちの戦いに同伴する作品ということであれば、完成版よりもいくらか快活な映画に仕上がっていたことだろう。この場合、2代目ブラックパンサーが登場する予定はあったのだろうか?

Source:New York Times

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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