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『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』クィアのキャラクターが登場へ ─ 「ガーナに観てもらいたい」

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
©Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』にクィアのキャラクターが登場する。出演者のミカエル・コールが米Vogueに明らかにした。

コールは『ワカンダ・フォーエバー』で、ワカンダの戦士ドーラ・ミラージュ隊長にして戦闘教官のアネカを演じる。劇中でアネカはアヨ(フローレンス・カサンバ)と「禁断の恋(forbidden affair)」に落ちるという。

私のキャラクターがクィアであるということが決め手になりました」と、コールは出演の経緯を語る。「いいじゃない。これをガーナに観てもらいたい。そう思いました」。

コールの生まれ育ちは南アフリカのイースト・ロンドンだが、ルーツはガーナに持つ。同国では同性愛行為に禁錮最大3年の罰則が定められている。現在では、自身が同性愛者であることを表明、あるいはLGBTQ+権利への支持・擁護を表明しただけでも禁錮最大5年の罰則を科す、極めて抑圧的な法案が審議されている。

「“いいじゃないか、ただの政治だし”と言われます。でも、人の日常生活に影響を与えるようなことは、政治だけじゃないと思う」とコールは語る。「だからこそ、一歩踏み出してこの役を引き受けることが重要だと思ったんです」。

MCU作品では『エターナルズ』(2021)にも同性愛のキャラクターが登場し、劇中では同性パートナーとのキスシーンも描かれた。これを理由として、サウジアラビアをはじめ同性愛容認を違法とする一部地域では上映禁止となっている。同様に、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)も登場人物が同性愛者の設定であるとしてサウジアラビア、エジプトで禁止に。ディズニー&ピクサー作品『バズ・ライトイヤー』(2022)でも、同性パートナーのキスシーンによって一部地域で上映禁止になったことが話題を呼んだ。

こうしたケースで配給側は、該当シーンをカットすることなく、上映見送りを受け入れることが多い。コールは自身のキャラクターを通じて、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』がガーナの人々に鑑賞されることを望んでいる。「私がガーナ人であることで、ガーナの人たちが観に来てくれると思うから」。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は2022年11月11日、公開予定。

Source:Vogue,難民研究フォーラム,Guardian

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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