『ブラックパンサー2』監督、チャドウィック・ボーズマン不在での製作に「キャリアで一番辛い」と心境を吐露

『ブラックパンサー』(2018)の続編『ブラックパンサー2(仮題)』の製作は、監督を続投するライアン・クーグラーにとって「これまでで一番辛いこと」なのだという。突然訪れた主演チャドウィック・ボーズマンの死による心境の変化を語っている。
第1作『ブラックパンサー』公開直後より製作が伝えられていた続編では、ワカンダの国王ティ・チャラの新章が語られるとされていたが、2020年8月に同役を務めるチャドウィックが急逝。これにより、制作陣はストーリーの方向性を大きく変更せざるを得なくなった。
こうした中で現在も脚本作業にあたっているクーグラー監督は、チャドウィックと密な関係性を築き上げていただけに、続編製作に頭を抱えているようで、米ポッドキャスト番組にて「今も(死を悼む)渦中にいます」と、その心境を吐露。「短くも長くも、私が地球で過ごしてきたなかで学んだ1つのことは、(悲しみを)乗り越えようとしている時に視野を持つことはとても難しいということ。人生で苦労している深刻な出来事です」と語っている。
チャドウィックを「(チームを)団結させてくれる接着剤のような人間」と形容するクーグラー監督。その存在を失った今、それでも行わざるを得ない企画進行の難しさを以下のように続ける。
「私たちには仕事とプライベートがありますが、好きなことを仕事にしている時ってそれが混同してしまうじゃないですか。今はワークライフバランスを探そうとしていますが、まだ探しきれていません。間違いなく、自分のキャリアで一番辛いことだと思います。」
こう話しながらも、大切な人の死を乗り越え、前に進もうとしているクーグラー監督は「辛いことではありますが、ものすごく奮い立たされてもいます」と意欲も語る。こうしたクーグラー監督の覚悟を裏付けるかのように、続編でナキア役を続投するルピタ・ニョンゴは、「ライアン・クーグラーはとってもワクワクするようなアイデアを考えていますよ」と2021年3月初頭に語っていた。
現状、チャドウィックの代役は起用はされないことが判明しており、次なる物語の核となるのは、ティ・チャラの妹シュリとされている。死してなおもクーグラー監督や共演者の記憶の中に生き続けるチャドウィックが『ブラックパンサー』で遺したものが、続編にどう継承されていくのだろうか。
Source: Jemele Hill is Unbothered, GMA Twitter