オースティン・バトラー、ボンド役は「冒涜」 ─ 「だって僕はアメリカ人だし」

『007』シリーズのジェームズ・ボンド役は、多くの俳優が演じてみたいと切望するキャラクターだ。しかし『エルヴィス』(2022)や『デューン 砂の惑星 PART2』(2024)のオースティン・バトラーは、自身がボンド役を演じることには消極的な姿勢を示している。
前作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)をもってダニエル・クレイグがシリーズを卒業して、4年近く経とうとしている。現在はAmazon MGM製作のもと、監督に『DUNE/デューン』シリーズや『ブレードランナー 2049』(2017)のドゥニ・ヴィルヌーヴ、脚本に「ピーキー・ブラインダーズ」(2013-2022)のスティーヴン・ナイトを擁する新シリーズが進行中だ。
間もなく米国での劇場公開を控える『Caught Stealing(原題)』のプロモーションで英国のラジオ番組に出演したバトラー。番組ホストから「あなたは『DUNE』で過去にドゥニ・ヴィルヌーヴと仕事をしていますよね。彼は次のジェームズ・ボンド作品を撮ることになっていますが、彼からそのことについて電話はありましたか?」と質問を受けると、「さしあたっては、電話はないですね」と返している。
すかさずホストが「ボンド役、演じたいですか?」と重ねると、「いい考えだとは思わないですね。だって僕はアメリカ人だし」と控えめ。「あなたはアクセントが上手じゃないですか」と更にホストからプッシュされたところで、バトラーは持論を述べた。
「アクセントはできますよ、でもそれって冒涜に近い感じがします。『007』シリーズは僕にとってはすごく大きな意味がある作品です。だから、あなたの国出身の誰かにいくんじゃないでしょうか。」
歴代のボンド役俳優を振り返ると、2代目ボンド役を演じたオーストラリア出身のジョージ・レーゼンビー、5代目ボンドを演じたアイルランド出身のピアース・ブロスナン以外は全員イギリス出身の俳優だ。しかし現在、次期ボンド役候補の1人として噂が浮上しているジェイコブ・エロルディはオーストラリア出身ということもあり、アメリカ出身のバトラーにも可能性がないわけではないだろう。
しかし、バトラーはイギリス出身の俳優が演じるだろうという見解だ。同様に、グレン・パウエルも「僕はテキサス出身だから」との理由で、ジェームズ・ボンド役を演じるべきではないと語り、タロン・エジャトンは「自分よりもっとふさわしい、クールで若い俳優がたくさんいるから」と表明している。実力派俳優でさえも、どこか恐れ多いと感じてしまうのがジェームズ・ボンド役の重みなのだろう。
一方、「ヴィラン役はどうですか?」と問われたバトラーは「それはいいですね、素晴らしい」と目を輝かしている。「ヴィランならやりますよ」とのコメントに、ホストに「いいですね、話は決まった。契約して、封をして送りましょう」と盛り上がりを見せている。
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Source:Hits Radio UK,The Hollywood Reporter