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【独占ロングインタビュー】『スター・ウォーズ』C-3PO役アンソニー・ダニエルズ ─ 最後にもう一度だけ、日本の友人たちに

最後にもう一度だけ……日本の友人たちに

──我らが友、R2-D2やチューバッカは二代目の役者に引き継がれました。タフな質問になってしまい恐縮ですが、3POの役が別の役者に渡ることは想像できますか?

私にとって大切なのは「3POが生き続けてくれる」ということ。だから、私が老いぼれたら、このキャラクターを理解してくれて、私をコピーできる方に譲りたい。

基本的に、コマーシャルなどに登場する3POも私が演じています。頭のてっぺんから、身体、細部に至るまで、3POは私の型を元に作られていますし、演じるにあたってのナレッジもありますから。だからお客さんも「本物」を見ることができるんですね。

別の方が演じられるのであれば、これをやり切るのは難しいかもしれません。「何かが違う」って。だからといって、ずっと私が独り占めするつもりはありません。このキャラクターが存在し続けてくれることが、何よりも大事なのです。

──それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお預かりできますか?

おぉ……。(数秒間。愛おしそうに考えてから、姿勢を正す。)

ハロー、マイ・フレンズ・イン・ジャパン。たくさんの方にお会いさせていただきましたが、まだまだ足りませんね。だから、また次回。

世界中の国々の中でも、日本の皆さんは、C-3PO役の私を特に応援してくださいましたね。それに、他の役者たちも、ジョージ・ルーカスや他の監督たちも同様に。皆さんが、私たちに映画を作る気にさせてくださったのですよ。

皆さんからの応援、ありがたかったです。皆さんとお話できたのも、楽しかったです。ダークサイドとライトサイドについてや、ハンとグリード、どちらが先に撃ったかについて、あれこれ議論しましたよね。

スター・ウォーズ』は大切な物語です。私たちは、みな物語というものが好きです。日本はとても伝統的な国で、素晴らしい歴史がありますね。『スター・ウォーズ』にも伝統があり、今では新たなる伝統が取り入れられました。

かつてジョージ・ルーカスは、『スター・ウォーズ』の脚本を様々なスタジオに持ち込みましたが、どこからも相手にされませんでした。それを20世紀フォックスがオーケーを出して、予算を与えてくれたのです。彼は、誰かに「イエス」を言わせるために、何度も何度も挑戦したんです。

私の本では、はじめジョージ・ルーカスに会うことを断った話も書いています。実は私、馬鹿げたSF映画だと思って、最初はこの映画に興味がなかったんです。でも、フォースに導かれて、彼に会った。今、どんな気持ちか分かりますか?もしも『スター・ウォーズ』に出ていなかったらと思うと……。

あれは私の間違いでした。自分が何に「ノー」と言ったのかさえ、知ろうとしなかった。だから、以来私は「ノー」と突っぱねないようにしています。

最後に。楽なことばかりではありませんでした。でも、しがみついてきました。やり続けました。皆さんも、是非同じようにして欲しいと思います。大変なこともあるでしょう。もっと大変になってしまうこともあるでしょう。でも、最後までやってみないと分かりませんよ。どうぞお元気で。いつも応援ありがとうございます。

──ありがとうございます。ありがとうございます……。本当に感謝しています。御礼を言わせてください。僕のキャリアは、『スター・ウォーズ』のために何かしたいという思いから始まったんです。だから今日は、まるで夢が叶ったようです。本当にありがとうございます。

こちらこそ、ありがとうございます。あなたの質問を受けていて思ったことがあります。よく考えてくださっていますね。何を聞くべきかを、よく考え抜いていらっしゃいます。大体の場合、「『スター・ウォーズ』に出るってどんな感じですか?」「あのコスチュームって大変なんですか?」「お金はどれくらい稼げるんですか?」「どんな気持ちですか?」という感じで聞かれることが多くて。その度に私は唇を噛み締めています。面白くない質問ですから。でも、あなたは質問をよく考えてくれましたね。

インタビュワーがあまり賢い方でない時は、私も大変です。想像力を使っていないな、準備を怠っているな、ということは分かります。うんざりしてしまいますが、そんなインタビュワーにももう慣れたと思っていました。でも、ファンや、あなたのような方とお話するのは楽しいですね。よろしければ、カメラで私の部屋をお見せしましょうか?笑顔にしてあげましょう。オーケイ?

──オーケイ!

(アンソニー、カメラを動かして部屋の様子を写してくれる。アンソニーが座っていた左隣に、細い脚のデスクが見える。机上には、卓上ランプと同じくらいの高さの3POのレゴ人形が置かれている。続いて、デスクの上にSkypeで使用していたラップトップが置かれていて、その左右にアッシュグレーのクッションがひとつずつ立ててある。「音が響いてしまうので」とアンソニー。右側には大きな窓。ブラウンのカーテンは閉じていて、外の日光を含んで緩く明るくなっている。「これで立派なスタジオです。」アンソニーはこのSkypeインタビューのために、部屋の環境を万全に整えていてくれたようだ。

カーテンの足元には、ちょっとしたトレーニング器具がいくつか転がっている。「家の中にいないといけないから、これでエクササイズしているんです。」向こう側にも部屋が見える。やはりアッシュグレーのダイニングソファーや、間接照明が行儀よく並んでいる。清潔感があって、落ち着いた印象だ。)

──貴重な様子をありがとうございます。きっと日本のファンの皆さんも、この本が気に入ると思います。ありがとうございました。

ありがとうございます(日本語で)。私の方こそ、お話できて楽しかったです。バイバイ。

 
 
 
 
 
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どうやらアンソニーは、THE RIVERのインタビューをずいぶん楽しんで頂けたようだ。インタビュー中にはアンソニーの方から「よろしければ年齢をお伺いしてもいいですか?」「初めて観た『スター・ウォーズ』は?」「どこで英語を学んだんですか?」「いま、東京はどんな様子ですか?」と逆質問も。もともと30分程度を予定していたインタビューは、気付けば50分にもなっていた。ここまで(C-3POの声も実演してくれ、部屋の様子までも見せてくれながら)じっくりやり取りできるインタビューは、様々な取材を行ってきた筆者にとっても初めてのことだった。

飾らず誠実で、礼儀正しい。きっと穏やかなアンソニーは、日本人と日本文化が心地良く感じられるのかもしれない。『スター・ウォーズ』C-3PO役という黄金色の功績が眩しいアンソニーだが、『私はC-3PO』を読むと、ひとりの謙虚で繊細な人間として、共感できる部分がたくさんある。また暫くしたら、日本にも遊びに来て欲しい……。そう伝えると、アンソニーは「もちろん」と微笑んだ。「日本には、たくさんの良い思い出がありますから。特に、『スター・ウォーズ・セレブレーション』の日本開催でファンの皆様とお会いできたこと。もう、ずいぶん前になりますね。この状況が落ち着いたら、また日本で開催して欲しいです。」

書籍『私はC-3PO』は、世界文化社より発売中。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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