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ジェームズ・キャメロン、広島・長崎被爆者の映画製作に関心 ─ 『アバター4』前の着手意向示す

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』来日記者会見

『アバター』シリーズのジェームズ・キャメロンが、広島原爆の被曝者を描く映画を自ら監督することに関心を示している。米LA Timesで語った。

この企画は、アメリカ人作家チャールズ・ペレグリーノによる2010年の書籍『The Last Train from Hiroshima : The Survivors Look Back』に基づくもの。広島と長崎で2度被爆した「二重被曝者」である山口彊(やまぐち つとむ)氏に焦点を当てた内容で、原爆投下時の凄惨さを描く。書籍は未邦訳だが、原題を直訳すると「ヒロシマからの最終列車:生存者の記憶」となる。2015年には『To Hell and Back: The Last Train From Hiroshima』の名での改訂版が米出版された。

実はキャメロンは1作目の『アバター』(2009)プロモーション来日時に山口氏の元を訪問しており、この映画化の構想を進めていた。しかしながら山口氏が2010年に他界されたこと(キャメロン訪問の10日後に亡くなった)、およびキャメロンがその後『アリータ:バトル・エンジェル』(2009)や『アバター』続編などに従事する運びとなったことで、本企画は長らく棚上げ状態になっていた。

キャメロンはインタビューで、今なお山口氏の残した想いを継ぐこの企画を実現したいとの願いを話した。2026年12月に米公開予定とされる『アバター4』の前に再着手したい意向だ。

ウクライナ戦争や国家主義思想の復活を挙げ、「私たちは、思っている以上に不安定な世の中を生きています」と、本企画への情熱を強めるキャメロン。「広島の映画は、これまで以上にタイムリーな題材だと思う。人間を標的に使用される武器とは何なのかを思い出させれくれるのです」。

広島・長崎への原爆投下から、今年(2023年)で78年となる。もしもキャメロンが『アバター4』前の2025年に本作を仕上げることができれば、ちょうど80年の節目にあの悲劇を世界に思い出させる作品となるだろう。

原爆を題材としたハリウッド映画としては、クリストファー・ノーラン監督による『オッペンハイマー』が製作中。マンハッタン計画を主導し、「原爆の父」として知られた科学者ロバート・オッペンハイマーを、キリアン・マーフィーが演じる映画だ。こちらは2023年7月21日に米公開予定。おそらく『オッペンハイマー』は観客のほか、キャメロン監督にも刺激を与えることになるかもしれない。

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Source:LA Times

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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